風邪などで体調が悪いときにマスクを着用することがあると思います。

新型コロナウイルス感染症の流行以降、マスクの着用が一般化されました。

このような状況の中、お葬式に参列する際には、どのようなマスクのマナーが求められるのでしょうか?

弔事の場での正しいマナーについて迷う方は少なくないでしょう。

マスクは色や形状、素材など種類が様々あるため、慣れない場所での選択は誰しも不安に感じるものです。

この記事では、お葬式会場でのマスクの着用や、相応しい色、感染対策のためのマナーについて解説します。

お葬式は厳正な場です。

遺族や周囲の方々に失礼のないように努めなければなりません。

正しくマナーを理解して、故人を偲びましょう。

 

 

お葬式でのマスクはOK?

体調が思わしくない場合、お葬式でのマスクの着用はマナー違反にあたりません。

むしろ、昨今の新型コロナウイルスの感染対策の影響で、マスクの着用は当たり前化しています。

これは自分にとっての感染防止を目的とするだけでなく、周囲への配慮の意味も含まれているのです。

とくに高齢者の方などは、基礎疾患などの影響で感染率が高い傾向があり、感染リスクの観点からも、マスクの着用は相手を思いやるための最低限のマナーといえるでしょう。

葬儀会社としても感染症対策を重点的に講じており、ガイドラインを制定するなど、担当者が一丸となって対策に取り組んでいます。

そのため、参列する際には、状況に応じたマスクの着用が求められます。

もしも気になる場合は、あらかじめマスクを着用する旨を受付などで申告しておくとスムーズでしょう。

 

 

お葬式でのマスク着用の歴史とは

新型コロナウイルス感染症によるマスクの着用義務化は解除されたものの、

いまだ感染予防のためには欠かすことができない必需品です。

それでは、一体いつからマスクが日本で注目されているのでしょうか?

日本でのマスクの歴史は明治初期に遡ります。

当時のマスクは合金に布を貼り付けたもので、石炭などの採掘場で浮遊する微粒子を避けるための専用品でした。

マスクのあり方が変化したのは、その後のスペイン風邪の流行が発端です。

世界中のパンデミックとなったこの感染症がきっかけとなり、マスクが専用品から予防品として扱われるようになったのです。

その後も需要の拡大で生産量は増加して、大正時代以降は日常生活品の一部となりました。

しかしながら、コロナ禍以前までは風邪や花粉症、インフルエンザのためのアイテムという認識が定着していて、お葬式の際の着用はマナー違反には当たらないものの、理解を得られにくい側面もありました。

これは、着用することで顔が隠れるマスクの特性が大きく影響しています。

顔が隠れることで、参列した際に遺族に対して弔意が伝えづらくなるという問題点があったのです。

また、故人に対しても失礼として、焼香などの儀式の際には、外すことがマナーと考えられていました。

遺族に至っては、挨拶などでたくさんの人の前に出る機会が度々あるため、着用自体を避けるべきとした風潮があったことも事実です。

なお、現在では参列の際、儀式が終わるまでの間、マスクを着用することも一般化されています。

喪主や遺族も同様に、状況に応じて着用することがマナーといえるでしょう。

 

 

会場で相応しいマスクの色や形について

新型コロナウイルス感染対策以降、マスクも多様化しています。

弔事の席は喪服のイメージから「黒」を連想するため、マスクの色を「黒」に統一するべきか疑問に感じる方もいるでしょう。

以前にネットニュースで『お葬式でのマスクは黒がマナー』といった内容の記事が紹介されて議論になりました。

マスクのマナーはどのように理解しておくことが良いのでしょうか?

様々な情報が錯綜してますが、混乱することのないように、正しいマスクのマナーについて理解を深めて下さい。

以下で解説します。

 

マスクの色に特別な規定はない

結論を申し上げると、マスクの色に特別な規定はありません。

スーツやネクタイ、靴などは「黒」を用いることが一般的ですが、マスクの色は必ずしも「黒」で合わせる必要はないでしょう。

中には「黒」はラフな印象を与えるため、避けるべきとする考え方もあります。

 

最も相応しい色は?

葬儀会社や地域で異なりますが、多くの場合、従来の定番カラーである「白」が最も相応しいとされています。

「白」といえば結婚式など慶事の場を連想しますが、マナー違反にはあたらず、むしろ最も無難であるという認識です。

そのため「白」を推奨する葬儀会場は多くあるでしょう。

コロナ禍以前から「白」が定着カラーとされていたことも理由にあげられます。

「白」や「黒」以外で「ベージュ」や「ピンク」などの肌馴染みの良い色も流通しています。

これらを選択することも誤りではありませんが、「黒」と同様でラフすぎるという意見があることや、目的が感染症対策なのであれば、マスクと肌が一目で区別できる「白」を着用する方が相手に安心感を与えるという意見があることも覚えておいた方が良いでしょう。

 

色よりデザインを重要視

マスクの色よりも気をつけなければならないことはデザインです。

お葬式の場ではなるべく簡素なデザインが良いとされています。

最近では奇抜なモチーフ入りのタイプや、フリルやリボンがついているタイプなどが流行しています。

素材に関しても、ガーゼや布、機能性を重視したウレタンなど様々あるでしょう。

消費者が迷うほどデザインの種類が豊富にあるため、弔事の場での正しいマスク選びに悩むこともあるのではないでしょうか。

ハンカチの場合は、レースがあしらわれたデザインも許容範囲とされていますが、マスクの場合は際立つため相応しくないことを覚えておくと役立ちます。

もしも不安を感じる場合は、お葬式用マスクも市販されていますので活用してみましょう。

 

 

新型コロナウイルス感染症における会場マナーとは

近年は、お葬式のあり方が変化しています。

新型コロナウイルスの感染対策が、大きなきっかけとなりました。

マスク以外で参列する際に気をつけることはあるのでしょうか?

例えば手指の消毒です。

多くの場合で、お葬式会場の出入り口にアルコールが設置されているため、積極的に活用した方が良いです。

念のためにポータブルタイプの消毒液を持参するなどして、こまめな消毒を忘れずに行いましょう。

また、ソーシャルディスタンスを確保して、飛沫や接触を防ぐことも重要な感染対策の一つです。

さらに、会場に入る前には「検温」を終えておきましょう。

もしも当日体調に不安がある場合は、辞退する方が良いケースもあります。

辞退する場合は、なるべく早めに遺族に申し出ましょう。

 

 

まとめ

この記事では、お葬式でのマスク着用や、相応しい色、マナーについて解説しました。

内容をまとめると以下の通りです。

  • お葬式会場でマスクの着用はマナー違反に当たらない(新型コロナウイルスの流行以降、終日マスクを着用することも一般化)
  • マスクの色は「白」が最も無難とされていて、「黒」や「ベージュ」「ピンク」はマナー違反には当たらないがラフな印象を与える可能性がある
  • マスクのデザインは、シンプルで派手さのないものを選択する

コロナ禍以前に比べて、マスクのマナーが変化しています。

感染対策を考えたマスクの着用方法が求められるでしょう。

また、マスクの色やデザインはお葬式に適した目立ちすぎないデザインのものを選ぶようにして下さい。

参列するときは周囲に迷惑をかけないように、正しいマスクマナーについて理解を深めておきましょう。