突然の訃報を受けたときに、赤ちゃんと参列することは可能なのでしょうか?
お葬式は厳粛な場であるため、礼儀を重んじることが大切です。
この記事では「赤ちゃんと一緒に参列はできる?」「赤ちゃんと参列する際には何に気をつければ良い?」と悩む方のために、親子でお葬式に参列をする際の基本情報や注意点、マナーなどを解説いたします。
心から故人を悼むためにも、社会人として大人の対応を心がけましょう。
赤ちゃん連れでの参列はOK?
赤ちゃんとの参列は、自分の立場によって可否が分かれるため注意が必要です。
生後間もない赤ちゃんは儀式の途中で突然泣き出すことや、ぐずることがあります。
母親の立場であれば、親子で参列しても良いのか気になることがあるでしょう。
それでは、どのような場面で赤ちゃん連れでの参列が可能なのでしょうか?
参列を検討する際は、故人や遺族との関係性を理解しておくことが重要です。
また、赤ちゃんの健康面も重視する必要があります。具体的なケースを以下で解説します。
参列しても良い場合
故人と血縁関係があるなど関係が近い場合は、喪主へ事前に相談した上で参列することが可能です。
基本的に赤ちゃんとお葬式に参列することは控えた方が良いとされていますが、参列する側の立場により異なるのです。
また、遺族でない場合も、生前の故人と深い関係であれば参列できることがあります。
中にはどうしてもお葬式に参列して故人を見送りたいと考える方もいるでしょう。
どちらにしても、遺族に相談して決める必要があります。
両親が難しい場合は、母親か父親どちらか1人が参列して、1人が待機した方が自宅で赤ちゃんの面倒を見ることもできるでしょう。
また、母子の体調面も考慮して決めることも大切です。
赤ちゃんは刺激に弱く、突然体調を崩すことがあるため注意して下さい。
泣き出すことや、ぐずるなどして儀式を遮る可能性もあるのです。
儀式の途中ですぐに会場から出られるように出入口周辺に席を確保しておくなど、周囲へ迷惑をかけないように対策をしておく必要があります。
参列を控えた方が良い場合
生まれてまもない赤ちゃんは免疫力が十分でないため、遺族と近い仲であっても参列を控えた方が良いでしょう。
母親の健康状態も不安定であるため、最低でも生後30日程度を経過してから参列することがマナーといえます。
とくに、お葬式の会場が遠方にある場合や、会場までの道が険しい場合は、母子の体調に影響を及ぼす可能性があるため参列しない方が良いケースがあるのです。
参列しない場合は速やかに遺族に連絡しましょう。
赤ちゃんのために注意すること
生まれたばかりの赤ちゃんを新生児と呼びます。
具体的には生後4週間までを指すことが一般的です。
新生児と一緒に参列する場合は、以下のようなポイントに注意しましょう。
授乳
新生児は授乳の回数が多く、一日10回程度が平均回数といえます。
授乳が頻繁にあるため、参列する際は会場に授乳室や授乳できるスペースはあるかを事前に確認しておく必要があるでしょう。
粉ミルクや哺乳瓶なども持参しておきます。
お腹が空いてぐずることが想定されるため、離乳食やおやつなども鞄に入れておくと安心です。
体温調節
赤ちゃんは環境に対応するための体の調整機能が大人のように発達していません。肌寒い日はすぐに体温を奪われることや、皮膚も薄いことから肌荒れなどを起こすことがあるため注意が必要です。
体がデリケートで、少しの刺激に過敏に反応することがあるのです。
会場では赤ちゃんの体温を適正に保つために、おくるみやタオルケットなどを用意しておくと安心して儀式に参列できるでしょう。
素材は刺激の少ないコットン素材のものが良いとされています。
おむつやおしり拭き等
おむつやおしり拭き、ウェットティッシュなども持参しておくと便利です。
赤ちゃんのおむつ替えは成長に比例して減少しますが、新生児の場合は1日10回程度(個人差あり)が目安の回数です。
お葬式は半日ほどかかるため、儀式の途中でおむつ替えが必要になるケースを想定しておきましょう。
その際は、会場のおむつ替えスペースを活用します。
もしも会場におむつ替えスペースがない場合は、使い捨てのおむつ替えシート(防水)などを用意しておくことをおすすめします。
ゴミ袋も忘れないようにしましょう。
音が鳴らないおもちゃも持っておくと良いです。
布絵本や人形、ひもとおしなど無音で遊べるおもちゃで赤ちゃんのグズグズを防ぎましょう。
焼香について
赤ちゃんと一緒に参列する際に気になることが焼香です。
焼香はお葬式で必ずある儀式です。
赤ちゃんをあらかじめ誰かに預けておくと円滑に行うことが可能です。
しかし、赤ちゃんを手で抱いたままで焼香を行うことも問題ではありません。
抱っこ紐を使用しても良いでしょう。
合唱ができないときは片手でもマナー違反にはあたらないため、片手で心を込めて弔意を表します。
赤ちゃんと火葬場に行くことは正しい?
葬儀・告別式を終えると出棺して火葬場に向かいます。
火葬は長時間が想定されるため、最後まで付き添うべきか悩む方もいるでしょう。
赤ちゃんとの同行が不安な場合は、無理に付き添う必要はありません。
もしも火葬まで付き添いたい場合は、事前に遺族に申し立てておくとスムーズです。
途中すぐに退席できるように出入り口付近を確保しておくと良いでしょう。
赤ちゃんの服装は?母親(父親)の服装についても解説
赤ちゃんや母親(父親)は弔辞の場にふさわしい喪服などの着用が一般的です。
お葬式はしめやかに執り行われます。
仏式でのお葬式は、故人が無事に冥界へたどり着けるようにという思いが込められているのです。
このような厳かな雰囲気で気をつけなければならないことの1つが服装です。
どのような服装を身につけたら良いのでしょうか。
赤ちゃんと母親(父親)の服装について下記で説明いたします。
赤ちゃんの服装
弔事の場であるため派手な色やデザインの服装は避けることが一般的です。
黒やダークグレーなどの落ち着いた色の服を選びましょう。
体温調節しやすい服装がおすすめです。
前がボタンやホックタイプのものは、脱ぎ着しやすいことや、おむつも替えやすいことがメリットといえます。
素材は熱がこもらない風とおしの良いものを選びましょう。
また、赤ちゃんであっても素足は良くありません。
戦隊モノやキャラクターのデザインのものは避け、無地の靴下をはかせておきましょう。
母親(父親)の服装
喪服の着用が一般的です。
喪服の中でも準喪服がふさわしいとされているため、黒やダークグレーなど落ち着いた色で無地のスーツやワンピースなどを着用しましょう。
母親の場合は、体調が悪くなることを考えて締め付けの強い服装は避けることをおすすめします。
授乳しやすいように前開きの服装や、赤ちゃんが抱きやすい服装を選びましょう。
授乳用の喪服も市販されているため利用することもできます。
無理にヒールのあるタイプではなくフラットな靴でもマナー違反にはなりません。
まとめ
ここまで赤ちゃんと参列するときのマナーや注意点、服装などを解説しました。
内容をまとめると以下の通りです。
- 赤ちゃんとの参列は、遺族や故人と親しい場合に喪主に事前に確認することで参列できるケースがある
- 生後1ヶ月ほどの新生児の場合の参列は控えた方が良い
- 参列する場合は、会場に授乳室やおむつ替えスペースがあることを確認しておく
- おむつ、離乳食やおやつ、おくるみ、おもちゃなどを持参しておく
- 赤ちゃんの服装は、派手でないデザインで体温調節しやすいものを選ぶ
以上です。
参列を検討しているときは、遺族に対して事前に報告するなどしておくとスムーズです。
儀式を滞りなくすすめるためにも、マナーや注意点など十分に守りましょう。