亡くなった方の枕元に供える花として「枕花」があります。
枕花には、送る種類やタイミングなどにマナーが御座いますため、注意が必要です。
そのためこの記事では、枕花の種類や送り方のマナー、同じく故人にお供えする花である供花との違いについてご紹介します。
枕花とは?
枕花は通夜までの間、故人の枕元に供える花のことです。
通常、亡くなった後は通夜までの間、自宅や斎場、安置施設などに故人を安置をします。
通夜の前まで故人の枕元に枕花を供え、通夜の日、式場に一緒に持って行きます。
そのため、あまり大きくない花を送るのが一般的です。
枕花を送る人は?
通夜までの間に飾る花なので、訃報を早く受け取る近親者や故人と親しかった方が送るのが一般的です。
故人を偲ぶ気持ちと、遺族に寄り添う気持ちを込めて送ります。
枕花の種類
枕花には主に、籠花やアレンジメント、盛花などの種類があります。
よく使われる花の種類も決まっています。
花をすべて自分で選ぶのは大変なので、手配するときに枕花用であることをしっかりと伝えましょう。マナーに合った種類の花で枕花を作ってくれます。
枕花のマナー
それでは枕花を送る際のマナーをご紹介します。
枕花の形
枕花は小さめの盛花、籠花やアレンジメントなどの形にします。
大きすぎると自宅などに置けなくなってしまったり、持ち運んだりするときも大変です。
枕花の費用相場
枕花の費用相場は5,000~20,000円です。
使っている花の種類や大きさによって費用が異なります。自宅にお送りする場合には10,000円以下のものを送るのが無難です。
10,000円以上だとサイズが大きく、自宅では置き場所に困ってしまうかもしれません。
あまり高額なものを送ってしまうと、遺族がお返しなどに気を遣ってしまうため相場にそったものをお送りしましょう。
枕花の手配の仕方
枕花を手配する際には、まず葬儀の施行を担当している葬儀社に連絡しましょう。
遺族から訃報を受けた際に、施行を担当している葬儀社と枕花をお送りしてもいいかを確認しておきます。
葬儀社に連絡をして「○○さんに枕花をお送りしたい」と伝えれば、手配方法を指示してくれます。
葬儀社によっては、提携している花屋以外からの花を受け付けない場合や、花の種類や大きさが指定されている場合もありますので、まずは必ず葬儀社に連絡しましょう。
また送り先も確認しておきます。
最近では自宅での安置以外にも、斎場、専用の安置施設などに安置されている場合もあるので「どこに送ったらいいか」という住所を正確に確認しておきましょう。
特に指定の業者がなかった場合には、直接花屋に枕花を作ってほしい旨と予算を伝えて配達を依頼します。
葬儀社からサイズや色、種類の指定などがあった場合には、それも合わせて伝えましょう。
最近ではネットで注文できるサービスも充実しています。
送るタイミング
枕花は通夜の前までにはお送りするようにします。
しかしあまり早く送りすぎると、まるで死を待っていたかのように捉えられかねません。
そのため訃報連絡を受けて、少し間を開けてから手配しましょう。
反対に亡くなってから一日以上空いてしまった場合には、通夜までに間に合わない場合があるので、その場合には供花を送ります。
使われる花
枕花で使われる花は、白を基調とした淡い青や紫など寒色系のものです。淡いピンクなどが入る場合もあります。
故人が好きだった花や好きだった色を選ぶこともありますが、それでも鮮やかすぎる色や、トゲのついた花や香りの強い花は避けましょう。
よく使われる花の種類は、菊・ユリ・カーネーション・ストック・スプレーマム・トルコキキョウ・デンファレなどです。
メッセージカードを添える
枕花を送る際には、一般的にメッセージカードを添えて送ります。
完結に短い言葉で、故人への弔意と遺族への慰めの気持ちを書きましょう。
以下に例文をあげます。
「急なご訃報に際し、謹んでお悔やみ申し上げます。」
「この度はお悔やみ申し上げます。ご家族様の落胆もいかばかりと存じます。悲しみのあまりお身体を崩されませんようご自愛くださいませ。」
「謹んで哀悼の意を表します。お別れに伺えず残念でなりません。ご冥福をお祈りいたします。」
辞退された場合の対応
最近では、枕花を含めてあらゆるお供えを辞退される遺族もいらっしゃいます。
もし辞退の旨を伝えられた際には、その意思を尊重しましょう。
無理に送ってしまうと、むしろ失礼に当たってしまいます。
お礼の方法
枕花を送られた遺族は、どのようにお礼をしたらいいのでしょうか。
枕花などのお供えをいただいた場合には、いただいた金額の概ね半分ぐらいの金額の品をお返しとして送ります。
会社や「○○一同」と団体から送られている場合には、分けて食べられるように個包装になっているものを選ぶのがオススメです。
枕花と供花との違いは?
枕花の他に、人が亡くなった際にお供えされる花として供花があります。
供花と枕花にはどのような違いがあるのでしょうか?
送り主
枕花は、通夜までの間に送る花なので訃報を比較的早く受ける、主に故人と親しかった方や親族が送るのに対して、供花は故人や喪主と関わりのあった幅広い方や団体から送られることが多いです。
飾る時期
枕花は、亡くなって安置されてから通夜までの間に飾られるものなのに対して、供花は通夜、告別式中に飾られます。
飾る場所
枕花は、自宅、斎場、安置施設など故人が安置されている場所の枕元に飾られるのに対して、供花は斎場などの葬儀を行う場所に飾られます。
使われる花の種類
基本的には、枕花と供花で使用される花の種類や、使うべきでない花の特徴に変わりはありません。
しかし供花の場合、祭壇の雰囲気に合わせた色や種類を使用したり、祭壇に組み込まれたりすることがあるため、鮮やかな色や葬儀でイメージする花とは違う花になったりすることが多々あります。
直葬なら供花の代わりに枕花を送ることも
直葬だった場合に、供花の代わりに枕花として送る対応ができる場合があります。
直葬とは通夜や葬儀を行わない葬儀形式のことです。火葬式とも呼ばれます。
通夜や葬儀を行わないため、式場に花を飾ることはありません。
そのためもし故人に対してお供えの花を送りたい場合に、供花の代わりに枕花としてお送りすることもあります。
しかし直葬の場合、遺族としてはひっそりと見送りたいという想いからお供えなどを辞退している場合もあるので、事前に確認をしておきましょう。
また直葬でお花を送る方法として「お別れ花」として棺にお収めする盆花を送るということもできます。
直葬でもお花を送りたい場合には、施行を担当する葬儀社に連絡をして「○○様にお花を送りたい」と伝えれば、遺族がお断りしているか、していなければどのような方法があるかなどの情報を教えてくれるので、まずは連絡をしてみましょう。
まとめ
枕花の概要、種類やマナーなどについてご紹介しました。
- 枕花とは、故人が安置されてから通夜までの間に故人の枕元にお供えする花のこと
- 小さめのアレンジメントや籠花、盛花などが相応しい
- 相場は5,000~20,000円程度。手配の際には施行を担当する葬儀社に必ず連絡をする
- 枕花と供花では、送り主、飾るタイミングや場所が異なる
以上です。
マナーを守って、故人への哀悼の意、遺族への寄り添いの気持ちを表しましょう。