奉書紙とは、弔辞を書く際や香典やお布施を包む際など、お葬式でよく利用される和紙です。

しかし、普段使うことが少ないため「どのようなものか分からない」「どのように使ったらいいのかが分からない」という方も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では奉書紙の由来や素材、お葬式において使われる場面や使い方についてご紹介します。

奉書紙を購入できる場所もご紹介しているので、参考にしてみてください。

 

奉書紙とは?

奉書紙とは和紙の種類の1つです。

室町時代から、幕府の公文書を作るための最高級の紙として使われていました。
幕府が命令などを伝える「奉書」に使われていたことが奉書紙という名前の由来と言われています。

和紙の中でも厚くて丈夫な作りとなっていることから、現代でも弔辞、香典やお布施といった大切なものを包む際などに用いられています。

 

奉書紙の素材

本来の奉書紙の素材は、楮(こうぞ)と呼ばれるクワ科の植物です。

しかし、最近ではパルプを使ったものも多く見られ、厚くて丈夫な和紙を総称して奉書紙と呼ぶようになりました。

楮を使った和紙としては伝統的な「越前奉書」などのブランドも残っています。

 

奉書紙と半紙の違い

奉書紙と混同されがちな紙として、半紙があげられます。

奉書紙と半紙は明確に異なるものです。
奉書紙は、弔辞を書いたり香典やお布施を包む際に使われるのに対し、半紙は多くの場合、書道などで用いられます。

また、半紙は和紙の寸法の規格における、およそ縦36.5cm×横24.5cmの和紙を表す際に使われる呼び方です。
それに対し奉書紙には、大きめのサイズから、少し小さめのサイズまで様々なサイズのものがあります。

 

奉書紙の特徴

奉書紙の特徴として次のようなことがあげられます。

 

高級感がある

厚みのある、しっかりとした素材なので、奉書紙を使うだけで高級感がでます。

そのため弔辞や祝辞など大切なことを書く際や、香典やお布施など大切なものを包む際に使われます。
特に、包む金額が高額な際には、包みが中身に劣らないように奉書紙を使用して包むことが多いです。

 

両面に印刷ができる

奉書紙は両面どちらにも印刷をすることができます。

奉書紙を含む和紙には必ず裏表があり、ツルツルしたのが表面、ザラザラしているのが裏面です。
表面の方がインクが滲みにくく印刷しやすいですが、裏面に印刷をすると和紙の質感がでるので、あえて裏面に印刷をすることもあります。

 

サイズが選べる

様々なサイズや厚さの奉書紙があるので用途によって選ぶことができます。

サイズはA4サイズ、巻紙タイプやはがきサイズなど様々です。

厚さも様々なタイプがあり、用途によって使い分けをしましょう。

 

お葬式での奉書紙の用途

奉書紙について由来や特徴についてご説明しました。

それでは奉書紙はお葬式ではどのような用途で使われるのでしょうか。
1つずつご紹介します。

 

香典を包むとき

香典を包む際には市販の香典袋を使用することも多くなりましたが、半紙や奉書紙などで包むのが本来の方法です。

お札を包む中包みは、次の手順で折ります。

①半紙のザラザラした裏面を上にして置く
②お札の肖像画が上になるようにして、半紙の上に置く
③下→左→右→上の順でお札を包む
④上側にはみ出た分を折りこむ

そして表面に「金壱萬圓也」などと金額を、裏面には住所と名前を記入します。

 

次に中包みを奉書紙で包みましょう。中包みを包むものを表包み(上包み)と言います。
表包み(上包み)も次の手順で折ります。

①奉書紙のザラザラした裏面を上にして置く
②金額を書いた面を下にして、中包みを奉書紙の上に置く
③右→左→下→上の順で折る

この時下→上の順を必ず守りましょう。反対にするとお祝いの意味になってしまいます。

そして表面の上段に表書き、下段に名前を書いて、水引きを結び切りに掛けましょう。

 

お布施を包むとき

お坊さんや神主さんなどの宗教者に、お礼としてお渡しするお布施を包む際にも奉書紙を使います。

包み方は中包み、表包み(上包み)ともに香典と同様です。

表書きの上段には「御布施」と書き、下段には「○○家」または施主となる方のフルネームを書きます。

 

弔辞を書くとき

お葬式の際、弔辞を依頼された場合には奉書紙に弔辞を書いて読み上げます。

最近では便せんなどに書いて封筒に入れることも増えてきましたが、奉書紙を使うのが正式です。

弔辞を書く際には、大きいサイズまたは巻紙タイプの奉書紙を使用します。

ツルツルとした表面に薄墨で縦書きをするのが基本です。
裏面に書こうとすると、ザラザラしているため滲んで書きづらいので注意しましょう。
書き始めは右側に10cmほど空白を作ります。行間も少し広めにとっておきましょう。書き終えたら最後に日付と名前を書き、折りたたみます。

そして、上から同じ奉書紙で包みます。
奉書紙の中央に折りたたんだ弔辞を置き、右→左の順に折り、上下を裏面に折ります。
最後に、表面に「弔辞」と書いたら準備完了です。
この時、ツルツルとした面が表面に来るように注意してください。

 

弔辞を書く際の注意点

弔辞を書く際の注意点についてもご紹介します。

 

1枚にまとめる

不幸が重なるという意味から、複数枚にかけて書かないのがマナーです。

1枚に収まるように最初に構成を考えておきましょう。
万が一、2枚以上になってしまった場合には、糊付けをして1枚にまとめます。

 

重ね言葉や忌み言葉を避ける

「ますます」「重ね重ね」などの重ね言葉や、「死」「苦」などの忌み言葉は避けましょう。

重ね言葉は、不幸が重なることを連想させると言われています。
忌み言葉は、直接「死」や「苦」について触れる言葉が縁起が悪いとされているので、それぞれ別の言葉に置き換えるようにしましょう。

口語と違い、弔辞は文字として残ります。
そのため弔辞を書き終えたら全体を見返して、重ね言葉や忌み言葉が使われていないかを確認しましょう。

 

長すぎず短すぎず

弔辞は長すぎても短すぎてもいけません。

長々と読んでしまうと、他にも弔辞を読む方がいた場合に全体の進行を妨げる可能性があります。
反対に短すぎても味気なく、せっかく弔辞を依頼してくれた遺族に対して失礼になりかねません。

適切な長さは1,000文字程度で、声に出すと2~3分です。

 

奉書紙はどこで買える?

奉書紙を用意したい時に、買える場所をご紹介します。

文房具店

文房具店には、奉書紙が売られているのが一般的です。

また、文房具店であれば筆ペンなど記入する道具も一緒に入手できます。
ただし、小さな文房具店だと置いていないこともあるので注意しましょう。

 

和紙専門店

和紙の専門店にも、奉書紙が売られています。

より高級感のある奉書紙を使用したい方は、和紙専門店に行くとよいでしょう。

 

書道用具店

書道の用具が置いてある専門店でも奉書紙が売られています。

半紙も一緒に入手することができます。

 

ネットショップ

ネットショップでも奉書紙を購入することができます。

ネットショップなら、サイズや厚みなど様々な種類から選べるという特徴があります。
しかし、注文からすぐに商品が届くとは限らないため、時間に余裕がある場合に利用しましょう。

 

まとめ

奉書紙の由来や素材と特徴、お葬式において使われる場面や使い方についてご紹介しました。

まとめると次の通りです。

  • 奉書紙とは、室町時代に幕府の公文書として使われていた高級和紙のこと
  • お葬式においては、弔辞を書く際、香典やお布施を包む際などに使われる
  • 奉書紙は文房具店、和紙専門店、書道用具店、ネットショップなどで購入できる

以上です。

弔電を書く際に便せんを使ったり、香典やお布施を包む際に市販の袋を使ったりすることも多くなりましたが、本来は奉書紙を使うことが正式です。
また奉書紙を使うことで高級感を出すことができます。

より故人や遺族に対して丁寧に弔意を示したい場合には、奉書紙を使用してみてください。