ご家族が亡くなった場合、その旨を生前故人と関わりのあった方にお伝えする必要があります。
その際に「誰に連絡をしたらいいのか」「どんな方法で何を伝えたらいいのか」と迷ってしまう方も少なくありません。
そこでこの記事では、訃報を伝える人や伝える方法、伝えるタイミングについてご紹介します。
訃報とは?
訃報とは、人が亡くなったのを知らせることです。
「訃」という字には一文字で「人の死の知らせ」という意味があります。
それに「報」という「知らせる」「告げる」という字がつき、人の死を知らせることを訃報と呼びます。
「悲報」と似ていますが、悲報は悲しいお知らせ全般を指す言葉です。
また、葬儀に関する案内は訃報とは別のものですが、多くの場合訃報と同じタイミングでお伝えします。
訃報を伝える人は?
訃報を伝える人に明確なルールはありませんが、主に故人と縁のあった方、葬儀に来てほしい方に連絡をします。
家族
子供や孫、兄弟姉妹など関係の深い家族には、必ず訃報を伝えます。
親族
三親等を目安に、その範囲外でも故人と関係の深かった親族の方にお知らせしましょう。
お寺・葬儀社
お付き合いのあるお寺、お墓があるお寺、そして葬儀社に連絡をしましょう。
お付き合いのあるお寺、お墓があるお寺には葬儀でお経を読んでもらったり、戒名を付けてもらったりするため、日程の都合をつけてもらう必要があります。
そのため、亡くなったことをいち早くお知らせするようにしましょう。
また、もし事前に相談をしていたり、決めていた葬儀社があった場合には、故人を搬送してもらったり葬儀についての打合せをするために必ず連絡をします。
決めていなかった場合でも、できるだけ早く決めて連絡をするようにしましょう。
友人・知人・会社関係者
故人の友人・知人・会社関係者など、生前お付き合いのあった方にも連絡をしましょう。
葬儀に参列いただく場合には、葬儀に関するご案内もします。
遺族と親しい方
故人と直接的な関係がなかった場合でも、遺族と親しい方に葬儀に参列いただく場合もあります。
その場合には葬儀に関する案内も含めて、家族が亡くなったことをお伝えしましょう。
地域の関係者
近所の方、町内会の方々などにも葬儀に参列いただく場合、連絡をします。
また、自宅で葬儀を行う場合には、近所の方々に協力をいただくことがあるかもしれません。
その場合には、必ずお伝えするようにしましょう。
訃報の伝え方は?
それでは訃報はどのような手段で伝えたらいいでしょうか。
基本は電話
訃報は電話で伝えるのが原則です。
確実かつ迅速に伝えるには、電話が一番適しています。
特に家族や親族、親しい間柄の方には電話で伝えるようにしましょう。
手紙・ファックス
手紙やファクスは、大勢に向けて訃報を伝えるのに有効です。
葬儀についてご案内する場合でも、連絡事項を文字として確実にお伝えすることができます。
SNS・メール
友人・知人への連絡としてSNSやメールを使用することも多くなりました。
しかし、失礼と受け取る方もいるので、目上の方や故人と関係の近しい方に対しては電話で連絡するようにしましょう。
新聞
新聞広告によって訃報を広く伝えることもあります。
社会的に高い地位にいた方や、著名人が亡くなられた場合に新聞広告が使われることが多いですが、地域によっては広く伝えるために一般の方でも利用します。
訃報を伝えるタイミングは?
訃報はどのタイミングでお伝えするべきでしょうか。
伝える相手との関係性によってタイミングは異なります。
危篤のとき
亡くなっていないため訃報連絡とは異なりますが、病院などから危篤の連絡を受けた際には、子供や孫、兄弟姉妹など近しい方に連絡します。
危篤状態ということは、まだご家族は頑張っている状態なので、広くは知らせないようにしましょう。
逝去後すぐ
逝去後すぐのタイミングでは、まず家族や親族に連絡します。
また、お寺や葬儀社にも連絡をしましょう。
この段階では、葬儀の日程や場所などの詳細は決まっていません。
そのため、詳細が決まったら改めて知らせる旨もお伝えしましょう。
葬儀の詳細が決まってから
葬儀の日程や場所などの詳細が決まったら、葬儀に参列いただきたい方々に連絡します。
また、葬儀の準備や、当日に欠席をする可能性のある会社や学校などにも連絡をいれましょう。
葬儀後
関係性があまり近くなかった方に対しては、葬儀後に葬儀を終えたことをお知らせすることもあります。
また家族葬で、どうしても家族や親族以外に知らせたくなかった場合については、葬儀後にお知らせすることも少なくありません。
しかし、葬儀後になって知らされることに対して気分を害される方もおり、失礼に当たる可能性もあります。
そのため、できるだけ葬儀前に知らせましょう。
そのうえで家族葬で行うことや、参列を遠慮する旨をお伝えします。
訃報で伝える内容
訃報では次のことをお伝えしましょう。
- 自分の名前と故人との関係性
- 故人の名前
- 亡くなった日時
- 亡くなった原因(詳しく言及せず「病気で」「事故で」などで構いません)
- 安置場所
そして葬儀に関する案内をするときには次のことを付け加えます。
- 喪主の名前
- 葬儀の日時
- 葬儀を行う場所
- 行う葬儀の宗教・宗派
- (家族葬の場合)参列を遠慮いただく旨
- (お供えを辞退する場合)香典や供花を辞退する旨
葬儀についての案内は、間違えのないように正確にお伝えしましょう。
電話でお伝えするときの例文
電話で訃報を伝える際には、次のようにお伝えしましょう。
逝去後すぐの場合
「××(故人の名前)の妻の××(自分の名前)です。今朝夫××が病気のため逝去いたしました。今は自宅に眠っております。お葬式の詳細が決まり次第、またご連絡いたします。」
葬儀の詳細をお伝えする場合
「××(故人の名前)の妻の××(自分の名前)です。昨晩夫が病気のため逝去いたしました。生前は大変お世話になり、ありがとうございました。
お通夜は××月××日の××時から××(場所)、葬儀は翌日の××時から同所で行います。形式は××(宗教宗派)です。喪主は私が務めます。」
家族葬で行う場合
「××(故人の名前)の妻の××(自分の名前)です。昨晩夫が病気のため逝去いたしました。生前は大変お世話になりありがとうございました。
葬儀に関しては故人の意向により、誠に勝手ながら家族だけで執り行いますので、ご参列およびご香典などのご厚意はご辞退いたします。ご理解のほどよろしくお願いいたします。」
メールでお伝えする際の例文
「件名:××(故人の名前)逝去のお知らせ
いつも大変お世話になっております。
××(故人の名前)の妻の××(自分の名前)と申します。
昨晩、夫××が病気のため逝去いたしましたので謹んでご連絡申し上げます。
生前は大変お世話になり、ありがとうございました。
通夜および葬儀について下記の通り執り行います。
ご多用とは存じますが、夫をお見送りいただけますと幸いです。
通夜:××月××日××時より
葬儀:××月××日××時より
喪主:××(喪主名)
場所:××(葬儀の場所の名前、住所)
形式:××(宗教宗派)
施行会社:××(葬儀社の名前、連絡先)
本来は電話でご連絡すべきところ、メールにてのご連絡になりましたこと、ご容赦ください。
××(自分の名前)
連絡先:××(自分の携帯番号)」
まとめ
訃報を伝える人や伝え方、伝えるタイミングについてご紹介しました。
まとめると次の通りです。
- 訃報は故人と縁のあった方、葬儀に来てほしい方に伝える
- 訃報の連絡は原則電話で行う。特に目上の人や故人との関係が親しい人には、メールやSNSでの連絡は避ける
- 広く周知する場合には手紙やFAX、新聞広告などを使う
- 訃報を伝えるタイミングは関係性によって異なる
- 訃報では、自分、喪主、故人、葬儀についての情報をお伝えする
大切な方の死後に、落ち着いて適切な方に連絡をするのは大変なことです。
余裕のある時に、事前に連絡する方をリスト化しておくことをおすすめします。