香典

お葬式やお通夜に参列する際に、参列者が用意するものの1つである香典。

香典とは何?

どのくらい包めばいいもの?

香典ひとつとってもルールやマナーがあり、難しいですよね。

香典の相場金額、マナーについて具体的に答えられる人は数少ないのが現状です。

こちらのページでは、香典の相場金額、香典の表書き、葬儀別香典の渡し方、その他香典の包み方など香典にまつわるお葬式のマナーについて解説していきます。

 

香典とは

香典2

香典はお葬式の時に参列者が持っていくお金です。

参列者が弔辞の際に遺族を支援する意味で包むお金を香典と呼びます。

弔辞ですので、お葬式、告別式だけでなく三回忌などの法事も含みます。

 

香典を入れるふくさについて

香典は香典袋を袱紗で包み持っていくのがマナーです。

袱紗は冠婚葬祭で参列者が熨斗(のし)袋を包むのに使います。

冠婚葬祭どの行事にも通用する袱紗は爪付き紫色の袱紗です。

一般的な爪付き袱紗では、ふくさを使った香典袋を包む手順は以下の通りになります。

  • ふくさを香典袋に対しひし形になる様に広げる
  • 中央に香典袋が表向きになる様に置く
  • ふくさを、むかって右、左、下、上の順番に香典袋に重ねて閉じていく
  • 左側を折って、ふくさを長方形にし、裏に返し、爪をいれて止める

 

お札は何故裏向けに入れるのか

香典とお金

弔辞の際、お札を裏向けに入れる理由はお札の肖像を隠す事で故人への哀悼の意を示すからです。

新札がいけないと言われる所以は、あらかじめ用意しておいたと思われ、不幸が来るのを予測していた事に繋がるからです。

手元に新札しかなかった場合はお札を真ん中から一折してから封筒に入れるのが礼儀です。

 

お香典の金額相場

香典の金額

香典の金額相場は以下の点により変動します。

  • 参列者の年齢、社会的地位
  • 参列者と故人の関係
  • 参列者が結婚しているかどうか
  • 参列者に兄弟姉妹がいるかどうか
  • 故人の宗教
  • 火葬、三回忌など法事別

故人と疎遠であれば香典の額は目安に比べ少なくなりますし、喪主であれば用意する必要はないです。

 

年代・続柄別香典の金額相場

香典の金額相場は参列者の年代、社会的地位及び参列者と故人の続柄により変動します

これから上げる金額相場はあくまで目安であり、参列者が生活に困窮している場合など特殊な場合は、香典を納める必要はありません。

 

両親の場合

亡くなったのが自分の親である場合、喪主が誰であるか亡くなった方の社会的地位によって金額は変わります。

父親が大手企業の現職重役、管理職、著名人だった場合は香典相場は割高になり、逆に退職後の場合は相場金額よりも低めになります。

以下の金額相場は独身男性の場合です。

  • 20代:1万~5万
  • 30代~40代:5~10万
  • 50代~60代:10万~

亡くなったのが父親である場合は喪主は母親になります。

10~20代の子供なら学生で親に扶養されている身であれば香典は不要です。

 

祖父母の場合

亡くなったのが祖父母の場合、祖父母が亡くなった年齢や、参列者の生前の交流により香典の金額相場が決まります。

亡くなったのが80代、生前適度な交流があり、特養に入居して10年以内にお亡くなりになった場合の金額相場は以下の通りです。

  • 20代:7000円~1万
  • 30代~40代:1万~3万
  • 50代~60代:3~5万
  • 60代以降:5万

結婚して独立した場合は夫婦連名で香典を出します。

亡くなった祖父母が100歳近い高齢である場合や、孫や他の親族と疎遠になっている場合は、あえて香典を連名にして減額にするというケースもあります。

 

叔父叔母の場合

叔父叔母の香典は、生前交流があるかないかで香典の金額相場が変わります。

以下の表は、参列者が叔父叔母と成人後、1~2年に1~2度は最低でも交流があることを前提にしたものです。

  • 20代:5000円~7000円
  • 30代~40代:1万円
  • 50代~60代:2万円

小学校以来全く叔父叔母に全くあってないという方は、ご挨拶だけで辞退する、複数の甥姪で連名にして1人あたりの香典額を相場金額より減額して出すという方法もあります。

 

友人

友人の葬儀こそ、何年前まで交流があったかどうかによって参列者として招かれた人が香典を包むべきか、辞退するかが決まります。

以下の金額相場は故人が亡くなる5年前から定期的に交流があった方の香典の金額相場の目安です。

  • 20代:5000円
  • 30代~40代:5000円~1万円
  • 50代~:2万、もしくは故人の社会的地位により変動

10年以上あっていない方であれば、故人と生前交流のあった方と共に連名で香典を出すのも1つの案です。

 

勤務先での香典の金額相場

勤務先での香典の金額相場は、故人の社会的地位により決まります。

以下の例は取引先の常務、局長、もしくは上司が亡くなった例です。

  • 20代:7000円~1万円
  • 30代~40代:1万円~3万円
  • 40代~50代:3万円

お取引先相手の葬儀では、組織の中で香典を電子決済でまとめることも珍しくありません。

全員の香典金額が均等になるように部署の責任者が配慮する必要があります。

勤務先の香典の金額相場も、同僚が亡くなった場合は、参列者との関係によります。

普段から親しくしていたのであれば、友人と同額の金額相場になります。

 

香典袋(不祝儀袋)の書き方

香典の名前

香典袋は故人の哀しみに寄り添う参列者の哀悼の意を表したものです。

故人の宗教別に表書きを書き、失礼がない様にしましょう。

 

香典袋の表書きは相手の宗派に合わせる

香典袋の表書きは故人、遺族の宗派に合わせましょう。

例えば浄土真宗の香典の表書きは「御仏前」です。

何故かと申しますと浄土真宗では、人は死後すぐ仏になるという教えがあるからです。

故人の宗派が判らない場合は、故人とゆかりのあった人物聞いておきましょう。 

 

仏式の場合

仏式の香典の表書きは「御霊前」「御香料」「御香奠(御香典)」のいずれかが用いられます。

香典袋は白黒もしくは銀一色の双銀の結び切りです。

 

キリスト教の場合

キリスト教は香典ではなく「御花料」として白無地の封筒に水引はかけず納めます。

故人に対する追悼ミサを開く教会もあるので「御ミサ料」という表書きをされる参列者の方もおられますが、追悼ミサは有料で開くものではないので、正しくは「御花料」です。

仏式の香典の様に「御霊前」「御仏前」と表書きに書いてはいけない理由は、プロテスタントでは偶像崇拝が禁止されているからです。

 

神式の場合

お葬式に香を用いないので香典とは呼ばないのが神式です。

白無地封筒に双白(白色)の結び切りで、表書きは「御霊前」「玉串料」「御榊料」になります。

何人かでまとめて1つの香典にして渡す場合は「玉串料」もしくは「御榊料」が無難です。

 

宗派が判らない場合

故人の宗派が判らない場合は、白無地に紫の裏地のついた封筒に「御花代」「御霊前」と表書きをしておきましょう。

 

香典袋の水引の下には何を書く?

香典袋の水引の下には参列者の氏名を書きます。

夫婦で参列した場合は夫婦連名です。

社内の部署一同で香典を容易する場合は「〇〇株式会社△△部一同」とします。

香典袋のの水引の下に氏名を書くので外袋の裏側は何も書かず喪主や斎条の受付の方に渡しましょう。

香典の金額は香典袋の内側に漢数字で書くのがマナーです。

 

香典の包み方と渡し方

香典の渡し方

葬儀及び通夜の際、参列者は喪主もしくは斎条の受付で渡す直前まで香典袋を袱紗(ふくさ)で覆って鞄の中にしまっておきます。

案外知られていないのが香典を包む袱紗の種類や香典の包み方、渡し方です。

葬儀や通夜参列前に香典の包み方や渡し方をおさらいしておきましょう。

 

葬儀別香典の渡し方

ここまでは香典の金額相場やマナー、宗教別の表書きの書き方について説明しました。

ここからはお葬式の状況や場合によって違う香典の渡し方を解説していきます。

 

社内葬の場合は会社のルールに従う

社内葬及び会社関係者の葬儀に参列する場合は、会社のルールに従うのが第一です。

大会社の社長が亡くなった際には、部署ごとで香典をまとめる事もあります。

この際には部署内で香典を出す金額を一律にする必要があります。

社内でお世話になった方が亡くなった場合は、故人と参列者の関係及び、参列者の年齢や社会的地位が関係してきます。

例えば参列者の同僚が亡くなって参列者がまだ20代独身だった場合は、香典は5000円です。

しかし参列者の50代の上司で支社長代理の営業局長が亡くなった場合は、香典の金額は場合によっては7000円になります。

 

家族葬の場合は喪主に渡す

家族葬の場合は、お通夜か告別式、葬儀の規模によっても変わります。

家族葬も斎条を利用される方が多くなりましたので、受付で渡す方もいらっしゃいます。

規模が小さい家族葬や家でお通夜をされる場合は、喪主に直接渡す事になります。

 

1日葬、火葬式の場合は

1日葬や火葬式の場合は、当日葬儀に参列出来ない遠方の親族及び、故人の友人、関係者の方がいます。

もしも遺族が香典を辞退されているのであれば、参列者は後日遺族の方に連絡して遺族の負担にならない消え物を送りましょう。

香典を辞退されていない場合は、遺族に現金書留で送るべきなのか、聞いておくことです。

 

香典の相場金額や香典袋の書き方についてまとめ

香典袋

香典の相場金額や香典袋の表書き、ふくさの使い方、香典にまつわるマナーについて解説しました。

香典についてまとめると以下の通りになります。

 

  • 香典は弔辞の際、遺族を物的に支援する行為が由来となっている
  • 香典の金額相場は参列者と故人の関係の深さや社会的立場によって変わる
  • 香典袋の表書きは遺族の宗派に合わせる
  • 香典を包む袱紗は紫を選ぶと万能
  • 社内葬の場合は会社のルールに従い香典を用意する

 

今回紹介した相場金額は目安となっていますが、個人との関係性、社会的立場によって変動しますので、是非参考にしてみてください。

また、香典の渡し方や香典袋の書き方など様々なマナーがありますので、しっかりと心得ておく事が大切です。