日本では仏式の葬儀が圧倒的に多く、四十九日法要を過ぎると仏壇に位牌を安置して供養するのが一般的です。

かつては多くの日本家屋に仏間があり、仏壇を置いていたものです。

しかし近年は洋風の間取りの家が増え、旧来の仏壇の設置が難しくなりました。

伝統的な仏壇を置くスペースがなくても、亡くなった身内や先祖に手を合わせたいと考える人は多く、最近では現代の住まいに合わせた外観やサイズの仏壇も販売されています。

このページでは、初めての仏壇の購入や仏壇の買い替えを考えている人に、仏壇の意味や選び方、日常のお手入れ方法などを解説します。

また、大阪市北区とその周辺のおすすめ仏壇・仏具店をご紹介します。

仏壇・仏具とは?

仏壇とは? その意味と役割

多くの人にとって、仏壇は故人や先祖に手を合わせて供養したり対話をしたりする場所です。

しかし仏壇には本来「ご本尊を祀る小さなお寺」という意味があります。

つまり寺院にある「内陣(本堂にある本尊を安置する場所)」を小さくしたものが仏壇です。

そのため仏壇は「家の中の小さなお寺」と言い表されることがあります。

菩提寺に出向かなくても、自宅で毎日お参りできるのが仏壇です。

仏具とは? 仏壇を彩る道具たち

仏具は、仏教の儀式で用いる道具や仏壇に置く品の総称です。

仏壇を仏具で飾ることを「荘厳(しょうごん)」といいます。

仏壇に必要な仏具は宗派により異なりますので、仏壇購入時に仏具も合わせて揃えると間違いがないでしょう。

仏壇・仏具の種類と選び方

はじめに置き場所を決め、宗派に合わせた仏壇・仏具を選ぶのが一般的です。

主な購入先は以下のとおりです。

  • 仏壇・仏具専門店
  • インターネット通販サイト
  • ホームセンター

仏壇・仏具専門店、インターネット通販サイト、ホームセンターにはそれぞれのメリットがあります。

インターネット通販には、家にいながら多くの商品を比較検討して購入できる便利さがあります。

 

ホームセンターには手ごろな価格の商品が多く、サイズによっては自分で持ち帰ることができます。

時間をかけず、手軽に仏壇を選びたい人には、インターネット通販やホームセンターが向いています。

 

購入のサポートや仏事に関するアドバイスを受けたい人は、仏壇・仏具専門店をおすすめします。

仏壇はほとんどの人にとって、一生に一度の買い物です。

事情が許せば何件かの実店舗で展示品を見て、専門スタッフの説明を受けながら選ぶのがよいでしょう。

 

仏壇の種類と特徴

仏壇の種類には大きく分けて、「金仏壇」「唐木仏壇」「家具調仏壇」の3タイプがあります。

  • 金仏壇

杉、松、ひのきなどに漆(うるし)を塗り、金箔や金粉で装飾しています。 「漆仏壇」ともよばれ、豪華で美しい造りが特徴です。

  • 唐木仏壇

黒檀や紫檀、鉄刀木(タガヤサン)の銘木を素材に木目を生かした造りで、重厚で落ち着きのある仏壇です。 素材の性質上、かなりの重量があります。

  • 家具調仏壇

モダン仏壇やインテリア仏壇ともよばれ、近年の住宅事情に合わせて作られました。 洋風インテリアにもなじみ、リビングや寝室などに置いても違和感がありません。 この10~20年ほどで販売数が伸びています。 コンパクトなミニ仏壇、家具や棚の上に載せられる上置き型仏壇も人気があります。

仏具の種類と素材

葬儀後、四十九日法要までは後飾り祭壇(中陰壇)に「仮仏具」を並べます。

「白木位牌」は仮の位牌で、四十九日法要の後に「本位牌」に替えて仏壇に安置します。

その他の仮仏具も、シンプルな白の陶器製が一般的です。

四十九日法要後に仏壇で使用する仏具には、以下の種類があります。

 

①礼拝仏具

礼拝の対象となる仏具で、最も重要です。

最上段中央に本尊を安置し、その1段下に位牌を置きます。

位牌が複数ある場合は向かって右が上座で、没年月日順に右に1体、次に左に1体、その下の段に右、左と順に並べます。

  • 本尊

仏壇で中心となる仏具で、宗派に合わせた仏像か掛軸を選びます。 仏像は木製、金属製、石製があり、木製がもっとも一般的です。 掛軸は木製の軸に質のよい絹や紙を組み合わせたものです。

  • 脇仏(わきぶつ)

脇侍(わきじ)ともいわれ、本尊の左右に安置される仏像や掛軸です。 宗派の開祖や影響力のあった僧侶の像、経典の掛軸が置かれます。 コンパクトな仏壇では、省略することもあります。

  • 位牌

戒名、没年月日、行年(享年)、俗名が記されます。 古くからある「塗位牌」や「唐木位牌」に加え、近年はインテリアに合う「モダン位牌」も増えています。 位牌は注文から受け取りまで、1~2週間程度かかります。

  • 法名軸

浄土真宗だけで使用します。 浄土真宗では位牌を用いず、戒名を法名とよびます。 法名、没年月日、行年(享年)、俗名が記された掛軸です。

 

②三具足(みつぐそく)

仏壇でのお参りに最低限必要な仏具です。 向かって右からろうそくを立てる「火立」、中央に線香を焚く「香炉」、左に花を飾る「花立」を配置します。 この3点を三具足といいます。 素材は真鍮(しんちゅう)が一般的で、次いで陶器が多くみられます。

火立と花立をそれぞれ1対で置く場合は、火立2、花立2、香炉1を合わせて「五具足」といいます。 中央に香炉、その両脇に火立、外両側に花立を配置します。

③おりん

仏壇で手を合わせる際に鳴らす仏具です。 基本のおりんは「鉢型」とよばれ、おりん、りん布団、りん台、りん棒の4点で1セットです。 ほかに高台りんという足がついたおりんもあります。 おりんの代表的な素材は真鍮です。

④茶湯器

水やお茶をお供えする器で、湯呑、蓋、茶台で1セットです。 シンプルなものからモダンなものまで豊富なカラーやデザインがあります。 浄土真宗では、茶湯器は使用しません。

⑤仏飯器

仏壇にご飯をお供えする仏具です。 2つが対のものと、1つの茶湯器と1つの仏飯器とをセットにするものがあります。 仏様はご飯の湯気を召し上がるため、炊き立てのご飯を供えます。

⑥仏器膳

茶湯器と仏飯器を載せるお膳で、水やご飯を直接仏壇に載せるよりもていねいといわれています。

⑦その他の仏具

必須の仏具ではありませんが、あれば便利なものに、菓子などの供え物をのせる高坏(たかつき)、線香差し、マッチのかす入れ、経机などがあります。

仏壇・仏具の選び方のポイント

仏壇は居住スペースに大きく左右されます。 購入時には、事前に以下を確認します。

  • 設置場所

何ヶ所か候補を選び、スペースを採寸します。 仏壇の向きには諸説あり、どの向きでも構わないとされています。 ただし、神棚と仏壇を向かい合わせに置くのはタブーです。

  • 種類、デザイン、サイズ

伝統的な金仏壇や唐木仏壇にするか、近代的な家具調仏壇にするかを決めておきましょう。

  • 予算

仏壇にどれほどの予算を割くかは、個々の価値観によります。 家族や親族などと相談して決めることをおすすめします。

仏壇・仏具のお手入れ方法

日々のお手入れの仕方

仏壇は湿気に弱いので、水拭きはしません。

中の仏具を取り出し、毛払いでほこりを払い、柔らかい布で乾拭きをします。

住居用洗剤は塗装のはがれの原因になるため使用しません。

仏具も、乾拭きが基本です。

必要に応じて真鍮製仏具用の研磨剤、木製仏具用のつや出し剤、香炉の灰をきれいにする灰ならしなどを購入するとよいでしょう。

慣れないうちは、掃除の前にスマートフォンなどで仏壇の写真を撮っておくと、仏具をもとの配置に戻すときに間違いがありません。

長持ちさせるための注意点

仏壇は木製のため、以下の場所に置くのは劣化をまねくので避けます。

  • 台所や洗面所、風呂場、トイレの近く…湿気による変形や合板のはがれが生じやすいため
  • 直射日光やエアコン、ヒーターの風ががあたる場所…変色、変形の原因になるため

また、地震に備え仏壇・仏具の破損防止と、人やペットの身を守る対策が必須です。

L字金具、突っ張り棒、ベルトなどで固定したり、粘着マットを敷いたりします。

最近は、仏壇そのものに耐震機能がついた商品もあります。

 

大阪市北区とその周辺でおすすめの仏壇・仏具店5選

北斎場のある大阪市北区とその周辺で、おすすめの5店をご紹介します。

いずれも多くの仏壇を実際に見ることができ、疑問点には専門スタッフから詳しい説明が受けられます。

ぜひ足を運んでみてください。

ギャラリーメモリア大阪梅田

モダンな現代仏壇を100種類展示しています。

近年増えている仏壇の買い替えにも、ていねいに対応します。

実家の仏壇の引継ぎ、家の新築、引越しなどを機会に仏壇を新たに購入したい人におすすめします。

所在地

大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪北館5階 HDC大阪内

電話番号

0120-596-939

営業時間

11:00~19:00

定休日

なし 年末年始12/29~1/3のみ休業

ホームページ

ギャラリーメモリア大阪梅田

 

仏壇ギャラリーユーアイ天神橋本店

伝統的な仏壇から家具調仏壇まで、常時100基を展示しています。

仏壇、仏具、附属品のセット購入が可能です。

仏壇クリーニングや修理などのメンテナンスも行います。

所在地

大阪市北区天神橋4-6-39

電話番号

0120-94-8341

営業時間

10:00~17:30

定休日

木曜日、1/1、1/2、12/31

ホームページ

仏壇ギャラリーユーアイ天神橋本店

 

村上佛檀

手ごろな価格から最高級の仏壇まで、幅広い価格帯の仏壇を常時100基展示しています。

初めての仏壇購入にも、仏事コーディネーターのアドバイスが受けられます。

専門スタッフによる納品、設置が可能で安心して購入できます。

所在地

大阪市城東区蒲生4-16-13

電話番号

06-6931-8250

営業時間

月火水金 9:30~18:30 土日祝9:30~18:00

定休日

木曜日、第2・第4水曜日

ホームページ

村上佛檀

 

越前屋十三店

伝統的な金仏壇や唐木仏壇はもちろん、近年人気の家具調仏壇も多数取り揃えています。

仏事に詳しい専門スタッフがていねいに対応します。

自社工場での仏壇修復やクリーニングにより、古い仏壇を購入時のようによみがえらせることも可能です。

所在地

大阪市淀川区十三本町1-11-11

電話番号

06-6300-0401

営業時間

10:00~18:30

定休日

年中無休(年末年始を除く)

ホームページ

越前屋十三店

 

泉屋上本町店 

伝統的な金仏壇や唐木仏壇のほか、近年需要が高まっている家具調仏壇も豊富に取り揃えています。

現代の住まいに合う上置きタイプの仏壇は人気の商品です。

些細な疑問でも、仏事全般の相談にお応えします。

所在地

大阪市中央区東平2-5-15

電話番号

06-6761-8066

営業時間

9:30~18:30

定休日

木曜日

ホームページ

泉屋上本町店

 

まとめ

近年は住宅事情が変わり、昭和期まで多くみられた伝統的な仏壇から、しだいに、家具調仏壇やモダン仏壇とよばれるタイプが人気を集めています。

住居が狭くても、仏壇をあきらめる必要はありません。

 

日々仏壇に手を合わせることで、精神的な安定がもたらされるともいわれています。ライフスタイルに適した仏壇選びには、仏壇・仏具店の専門スタッフに相談してみることをおすすめします。