ケガや病気が原因で、車椅子を使用することがあると思います。
車椅子が生活に必要である場合、お葬式の参列はどのようにすれば良いのでしょうか?
時には、参列自体を迷うこともあるでしょう。
この記事では「車椅子でのお葬式の参列方法が知りたい」という方のために、車椅子でお葬式に参列するときの方法や、会場での設備、参列の際に注意する点などを解説します。
とくに、お葬式は足腰の弱い高齢者の方が多く参列するため、知識を身につけておくと安心です。
故人を偲び弔うためにも、正しいマナーの理解を深めましょう。
車椅子での参列はOK?
車椅子での参列に戸惑いや不安を感じる方もいるのではないでしょうか?
お葬式に車椅子で参列すること自体は問題ではありません。
ただし、参列前に確認するべきことがあるため、注意が必要です。
訃報を受けてから、車椅子で参列するまでの流れを以下で解説しますので、参考にして下さい。
①遺族や葬儀会社へ連絡する
はじめに、車椅子で会場へ向かうことを遺族にお知らせします。
訃報が届いたときに、遺族へ伝えましょう。
事前に遺族に知らせておくことで、当日の会場での混乱を防げます。
また、遺族から葬儀会社へ車椅子で参列する旨を伝えてもらいます。
次に、会場がバリアフリー設備であるかを自ら確認します。
多くの場合、訃報に参列場所が明記してあるため、ホームページやSNSなどから設備の確認が可能です。
ホームページが存在しないなど、不明な点がある場合は、葬儀会社に直接連絡をすることで、悩みを解消できます。
葬儀会社は一般的に24時間対応しているため、日中仕事で電話ができないときは、夜などに時間帯をずらして問い合わせてみましょう。
②前日までに確認すること
自宅から会場までの経路を確認します。
自家用車以外の方法で会場へ向かうときは、車椅子で向かうことができるかどうか、道路の安全性を把握しておく必要があるでしょう。
危険な場所はないか、道路の傾斜が目立つ場所はないか、段差の有無など細かく確認することが重要です。
また、交通機関を使用する場合は、最寄り駅のバリアフリー設備が充実しているかも含めて調べておきましょう。
③車椅子を借りる場合
会場で車椅子のレンタルを希望したい場合もあるでしょう。
とくに、家族の送迎などで会場に向かうときや、介助用タクシーで向かうときです。
会場で車椅子を借りたい場合は、葬儀会社へ事前に申告しておきます。
急に伝えても、車椅子の貸出サービスがない施設もあります。
また、当日、車椅子の参列者が複数人存在する可能性もあるため、なるべく早めに確認しておくと安心です。
車椅子の手続きに時間を取られて、お葬式に参列できなかったという残念な事態は避けましょう。
当日について
車椅子で参列する場合、心配な事柄の一つに焼香があります。
会場内がバリアフリーの場合でも、祭壇周辺の通路が狭く、焼香台まで近づくことが難しいケースもあります。
多くの場合、車椅子である旨を事前に申告しておくと、葬儀会社のスタッフが香炉を運んできてくれるため、心配する必要はありません。
車椅子で焼香すること自体はマナー違反には当たらないため、自分のスタイルで焼香をしましょう。
杖で参列する場合も同様です。
あらかじめ杖で参列する旨を申告しておくことで、スタッフがフォローしてくれます。
大切なことは故人を悼み弔う気持ちです。
気持ちを込めて哀悼を捧げましょう。
バリアフリーとは?
バリアフリーとは障害となるバリアを取り除くことを指します。
高齢者など体が不自由な方が、公共施設や交通機関などの様々な場所を利用しやすくすることが目的です。
障害がなくなることで、安心した生活が実現できます。
バリアフリーは、元々建設関係で使用されていた言葉で、建設の際に建物の段差などを除去することが目的とされていました。
年月を経てバリアフリーという言葉が徐々に社会に広がり、障害を持つ方や高齢者などの生活が困難になるものを除去するという意味に変化しました。
バリアフリーは物質的な障害だけでなく、精神的な障害をなくすことも指します。
建物の段差や溝のみ取り除くことを意味するわけではありません。
葬儀会社が用いるバリアフリーの特徴について
バリアフリーを完備している葬儀会社では、車椅子専用のトイレや、エレベーターといった設備などが充実しています。
また、バスやシャワー室をバリアフリー化しているケースや、 会場と会食室を同じフロアにする、出入口の段差を除去する、通路を広くする、など車椅子でも移動しやすいように配慮されている施設もあります。
高齢の方、車椅子の方だけではなく、お子さん連れの参列者の方も安心して利用できることが特徴です。
具体的なバリアフリーの設備は、葬儀会社によって様々であるため、参列する側も遺族側も事前に十分に確認しておくことが必要となります。
遺族の対応について
車椅子で参列する方がいる場合は、葬儀会社に連絡をして会場の設備について確認します。
座席や焼香のサポートなどについて、打ち合わせをしておきましょう。
また、会場周辺の道路など環境面で危険な場所がないかも確認しておきます。
準備ができたら参列者に伝えておきましょう。
会場がバリアフリーでない場合の対処方法とは?
葬儀会社に依頼するのではなく、自宅でお葬式を行う遺族もいます。
自宅が会場である場合、車椅子での参列は十分に検討する必要があるでしょう。
一般の家庭では、多くの場合バリアフリーに対応していないためです。
もしも親族や知人に介助の依頼ができる場合は参列が可能ですが、周囲のサポートが難しいときには辞退した方が良いケースもあります。
この場合、参列辞退する旨を早めに遺族に連絡しましょう。
車椅子での参列が困難であることをきちんと説明して下さい。
その際に香典を郵送し、弔意を表すことが一般的です。
もしくは、後日弔問して故人を供養させていただけるか遺族に相談してみましょう。
また、寺院がお葬式の会場になることもあります。
寺院でもバリアフリーの設備が十分でないケースがあるため、自宅葬と同様に参列を検討した方が良いでしょう。
場所によっては周囲の道路も整備されていないことがあります。
傾斜が激しく、道が険しいこともあるため注意が必要です。
参列が困難だと判断したときは、早めに遺族に連絡しましょう。
参列をするかどうかは故人との関係や自身の状況によるため、どちらが正しいということではありません。
まとめ
車椅子での参列方法やバリアフリーの設備、車椅子で参列する際に気をつけることなどについて解説いたしました。
内容をまとめると以下の通りです。
- 車椅子で参列する場合は遺族へ連絡する
- 車椅子の参列者がいる場合、遺族は葬儀会社へ伝えて設備等の打ち合わせをしておく
- 会場までの経路の確認をして、危険な場所がないか事前調査しておく
- 当日車椅子をレンタルする場合は早めに予約しておく
- 焼香が困難な場合は、葬儀会社のスタッフが香炉を運んできてくれることが一般的
車椅子で参列するときは、遺族や葬儀会社への事前連絡を忘れないようにして下さい。
あらかじめ連絡しておき、情報を共有しておくことが大切です。
また、お葬式の会場が自宅や寺院の場合は、車椅子で参列できるかどうか慎重に判断する必要があります。
正しいマナーで故人を弔い供養しましょう。