あまり関わりのない親戚から、遠方での葬儀の案内が来た場合、出席するべきかどうか悩む方は多いのではないでしょうか。自身が子供ではなく孫の立場など、やや関係性が離れている場合特に悩むことになります。

今回の記事では、遠方での葬儀に孫が参列するべきかどうかを解説しています。また、欠席する場合の相手へのマナーや、喪主側としての振る舞いなども解説しているため、参考にしてみてください。

遠方の葬儀では3親等以内は参列するべき

遠方の葬儀に孫が出席するかどうかの判断は、故人との関係性や距離に左右されることが多いです。普段から親しく接していた親しい間柄であれば、たとえ遠方であっても葬儀に出席するほうがよいでしょう。

しかし、あまり関係性のない孫の場合、遠方となると出席すべきかどうか迷うこともあります。そのような場合でも、3親等以内の親族であれば、基本的には葬儀に出席することが望ましいです。

3親等以内の親族とは、具体的には次の親族が該当します。

 

  • 祖父母
  • 兄弟姉妹
  • おじおば
  • おいめい
  • 曽祖父母
  • ひ孫

 

また、迷った場合には、他の親族に相談することも有効です。他の親族も同じように考えている場合が多く、その意見を参考にすることで、適切な行動を取れるでしょう。

遠方の葬儀の交通費・宿泊費はどっちが負担するのか?

遠方の葬儀の場合、参列者は交通費が通常より掛かり、宿泊費が別途必要です。交通費、宿泊費に関して遠方からであっても参列者側で払うべきか、喪主側で負担すべきか迷うことも多いでしょう。

遠方の葬儀での交通費・宿泊費の取り扱いを解説します。

遠方の葬儀での交通費・宿泊費は参列者が負担する

遠方の葬儀に出席する際の交通費や宿泊費は、一般的に参列者側が自分で負担します。理由としては、葬儀が故人との最後のお別れをするための場であり、参列者自身の意思で参加する意味合いが強いためです。

一方、結婚式などの慶事では、主催側が交通費や宿泊費を出すことが多いでしょう。結婚式は主催側の祝い事であり、招待されたゲストに喜んで参加してもらうことが目的のためです。

遠方での葬儀であっても、出席するかどうかは各人の意思に委ねられるため、出席する際に掛かる費用も自分自身で負担することに注意しましょう。

 

宿泊施設の手配は喪主が行う

遠方で行われる葬儀の場合、宿泊施設の手配は喪主が行います。遠方で行われる葬儀の場合は、参列者側に土地勘がなく、どの宿泊施設を予約すればよいか分からないことが多いためです。

さらに、葬儀社は地元の宿泊施設と提携していることが多いため、葬儀社に相談することで、参列者に適した宿泊施設の手配も可能です。

葬儀社の提携施設であれば、葬儀場からのアクセスも良好で、参列者にとって利便性が高い場合が多いため有効な手段となるでしょう。

 

遠方での葬儀に行けないときのマナー

参列者側が遠方で葬儀に行けない場合、次の3つのマナーに注意しなければなりません。

  • 弔意は表す
  • 香典の渡し方
  • 供花や弔電を送る

それぞれのポイントを解説します。

 

弔意は表す

遠方が理由で葬儀に行けない場合でも、弔意を示すことは重要なマナーです。関わりの少ない親戚の場合、距離の問題で葬儀を欠席することもありますが、その際でも適切な方法でお悔やみの気持ちを伝えることが求められます。

可能な限り喪主に電話で連絡を取り、お悔やみの言葉を伝えましょう。電話で直接話すことで、弔意がしっかりと伝わり、喪主に対して丁寧な印象が伝わります。

また、葬儀に行けない旨を周りの親族にも相談しておくとよいでしょう。親族の協力を得ることで、喪主に対する説明もスムーズに進むでしょう。

直接弔意を示すことは、喪主との関係性を良好に保てます。手紙やお悔やみの品を送ることも有効ですが、まずは電話での連絡が最も誠実な方法です。

 

香典の渡し方

本来、香典は直接手渡すのがマナーですが、葬儀に出席できなくて、かつ遠方の場合には難しくなります。このような場合、郵送するか代理人に依頼する方法が有効です。

郵送する際には、お悔やみの手紙を同封し、心からの弔意を伝えましょう。葬儀場の近くに友人や知人がいる場合には、その人に代理で香典を渡してもらうことも可能です。

代理人は故人と関わりがない人でも問題ありませんが、事前に喪主にその旨を伝えておきましょう。ただし、代理人を依頼する場合は、自分より目上の人には頼まないようにするのがマナーです。

もし都合がつけば、後日弔問して香典を渡す方法もあります。後日弔問して香典を渡すこと自体はマナー違反ではありません。

 

供花や弔電を送る

供花や弔電を送る対応も欠かせません。葬儀に出席できない場合は、まずは喪主に電話をして、欠席することに対するお詫びと弔意を伝えましょう。

その後、葬式会場に供花や弔電を送る手配が必要です。供花は、故人への敬意と哀悼の意を表すものであり、葬儀の場を華やかにし、故人を偲ぶための一助となります。

弔電は、葬儀の最中に読み上げられるため、遺族に対して弔意を伝えられる手段の1つです。弔電の内容は、故人への感謝や哀悼の言葉を簡潔にまとめると良いでしょう。

供花や弔電を通じて、遺族に対する思いやりと故人への敬意を示せます。このような配慮を怠らず、適切な対応を心掛けることで、遺族に対して誠意を示し、良好な関係を保てるでしょう。

 

遠方からの参列者へのお礼マナー

遠方から列席してもらう場合、喪主側も気を付けなければいけない次のマナーがあります。

 

  • 香典返し
  • お中元またはお歳暮
  • 地域特有のしきたり

 

それぞれのマナーを解説するため、参考にしてみてください。

 

香典返し

近年では、香典の額に応じて四十九日後にあらためてお礼の品を送る形式の香典返しは減少し、葬儀後に即返すことが一般的になってきています。

遠方からの参列者に対しても、葬儀後に即香典返しを渡すことが多いです。この際、参列者が持ち帰ることを考慮した品物を選ぶ配慮が必要となります。重さや大きさに配慮し、持ち運びが容易なものを選ぶと良いでしょう。

近年、香典返しの品物としてカタログギフトが選ばれることが多くなっています。カタログギフトの利点は、受け取った人が自分の好みのものを選べることです。

また、かさばらないため、遠方からの参列者が持ち帰る際の負担も軽減されます。

 

お中元またはお歳暮

葬儀の場で即返しするお礼とは別に、後日あらためてお中元やお歳暮を贈ることは非常に丁寧な印象を与えられます。しかし、相手によっては、度重なるお礼が負担に感じられることもあるため、配慮が必要です。

あらためてお礼を贈りたい場合は、お中元やお歳暮のタイミングに合わせてお礼を贈ると、相手が過度に気にすることなく受け取れます。お中元やお歳暮は、もともと感謝の気持ちを伝えるための習慣であり、この時期に葬儀のお礼を含めた贈り物をすることで、自然な形で感謝の意を伝えられるでしょう。

 

地域特有のしきたり

遠方での葬儀では、地域特有のしきたりが存在することを理解し、配慮することが重要です。例えば、大阪では葬式の際に「樒(しきみ)」という植物を飾る風習があります。

また、友引の日に葬儀を行う際には、棺の中に「いちま人形」を入れる風習もあることを理解しておきましょう。

遠方の葬儀に出席する場合、これらの地域特有のしきたりや慣例に注意することが大切です。参列者がその地域の風習を知らずに行動すると、無意識に失礼になってしまう可能性があります。

 

まとめ

今回の記事では、遠方の葬儀で孫は出席するべきかどうかを解説しました。あまり関係性のない孫の場合でも、3親等以内の親族であれば、基本的には葬儀に出席することが望ましいです。

交通費や宿泊費に関しては参列者側で負担することが通例のため注意しましょう。一方で、宿泊先の手配などは喪主側で行わなければなりません。

遠方が理由で葬儀を欠席する場合のマナーや、喪主の立場として遠方から出席してくれた人に対するお礼のマナーを紹介しているため、これから遠方の葬儀に関わる可能性がある人は参考にしてみてください。