費用を抑えられる点や、永代供養となる点から樹木葬が気になってる方も多いのではないでしょうか。
樹木葬は樹木をシンボルとしたお墓での供養の形式で、墓石を必要としないことからさまざまなメリットがあります。
今回の記事では、樹木葬のメリットやデメリットを解説しています。
また、樹木葬で後悔しないためのポイントも紹介しているため、樹木葬が気になっている方は参考にしてみてください。
樹木葬とは
樹木葬は樹木をシンボルとしたお墓での供養の形式です。
樹木葬に関して、次の内容で詳しく解説します。
- 樹木をシンボルにしたお墓
- 樹木葬は承継者のいらない「永代供養」
まずは、樹木葬の基本的な内容を解説します。
樹木をシンボルにしたお墓
樹木葬は、自然との調和を大切にした新しい形のお墓です。
墓石の代わりに、美しい桜や紅葉、ハナミズキなどの木々をシンボルとして、その周りに大切な方の遺骨を埋葬します。
木々は四季折々の表情を見せながら、故人を優しく見守ってくれるでしょう。
近年では、樹木だけでなく、草花や芝生で彩られたガーデン風の形式など、さまざまなスタイルが生まれています。
自然に囲まれた空間は、訪れる方々の心を癒し、故人との穏やかな時間を過ごせる場所となっています。
人生の終わりを、新しい命が芽吹く自然の営みの中で静かに迎える想いが込められた、やさしい形のお墓です。
樹木葬は承継者のいらない「永代供養」
樹木葬の大きな特徴は、次の世代にお墓を引き継ぐ必要のない「永代供養」の形式です。
お子様に負担をかけたくない想いから、樹木葬の形を選ばれる方も増えています。
最初は個別のお墓として納骨されますが、一定期間が経つと他の方々の遺骨と一緒に埋葬される合葬の形へと移行するケースが多い傾向です。
そのため、永続的なお墓の管理や費用の心配がありません。
二人だけの人生を歩んできた夫婦や、ひとりで生きてこられた方々にとって、シンプルで温かみのある樹木葬は、1つの選択肢となっています。
自然の中で永遠の眠りにつける穏やかな供養の形です。
樹木葬のメリット
樹木葬には、墓石が不要なことや継承者が必要ないことなどさまざまなメリットがあります。
次のメリットを解説します。
- 墓石が不要なため安価に供養できる
- 承継者が必要ない
- 宗教・宗派の制約がない
- お参りの際の風景が良い
それぞれのポイントを詳しくみていきましょう。
墓石が不要なため安価に供養できる
樹木葬は、大きな墓石を必要としないコンパクトでシンプルなお墓です。
遺骨を埋葬するための小さなスペースだけで済むため、一般的な墓石型のお墓と比べて、費用を抑えられます。
樹木葬の費用面での特徴は、現代を生きる人々の価値観や生活スタイルにも適した形と言えるでしょう。
ただし、永代使用料は土地の価格に左右されるため、立地によって大きく変わることに注意しなければなりません。
都心部の便利な場所や、駅から近い人気エリアでは、使用料が高めになる傾向があります。
お墓選びの際は、場所と費用のバランスを考えながら、家族も含めた環境に合った選択をすることが大切です。
承継者が必要ない
樹木葬の大きな魅力は、永代供養がセットになっていることです。
お墓の継承や管理について、将来の家族への負担を心配することなく、安心して眠りにつける場所として選ばれています。
子どもたちに迷惑をかけたくない気持ちや、お墓の管理で苦労させたくない考えから、樹木葬を選ぶ方が増えています。
永代供養のため、お墓の清掃や管理の心配がありません。
一方で、家族の絆として代々お墓を守り継いでいきたい方や、お子様やお孫様と共にお参りを続けていきたい方にとっては、樹木葬は適していない可能性があります。
それぞれの家族の状況に合わせて、最適な選択を検討すると良いでしょう。
宗教・宗派の制約がない
樹木葬の魅力的な特徴の1つは、多くの場合、宗教や宗派を問わず利用できることです。
自然との調和を大切にした供養の形として、どのような信仰の方でも、安心して選択できます。
一方で、お寺が直接管理・運営している墓地内にある樹木葬エリアの場合は、一般的なお墓と同じように、檀家にならなければならない可能性があるため注意が必要です。
樹木葬を申し込む際は、条件もしっかりと確認しなければなりません。
宗教・宗派の問題は人によっては繊細な面もあるため、それぞれの方に合った、安心できる選択をする必要があります。
お参りの際の風景が良い
樹木葬の特徴として、緑豊かな自然に囲まれた、心安らかな環境でお参りができることが挙げられます。
四季折々の草花や木々の美しさに包まれながら、ゆっくりと故人との大切な時間を過ごせるでしょう。
里山型の樹木葬では、森や山の自然が織りなす雄大な景色の中で、より深い癒しを感じられます。
鳥のさえずりや木々のそよ風など、故人との思い出に浸れる静かな時間を過ごせることが魅力です。
また、遺骨を土に直接還すことで、生命の循環の一部となる一体感を大切にされる方にとって、樹木葬は深い意味を持つ選択にもなるでしょう。
穏やかな自然の中で永遠の眠りにつける、優しい供養の形です。
樹木葬のデメリット
樹木葬には、樹木自体が枯れてしまうことや、遺骨を取り出しにくいことなどいくつかのデメリットがあります。
樹木葬を選択される方は、デメリットをあらかじめ把握しておくことも必要です。
自分でガーデニングできない
樹木葬では、美しい自然に囲まれた環境でお参りができる一方で、好みの草花を植えたり、ガーデニングを楽しんだりすることは基本的にできません。
樹木や芝生の手入れは、霊園全体の調和のとれた景観を保つため、墓所の管理者によって一括して行われます。
そのため、自宅のように、季節の草花を自由に植え替えたり、土づくりを楽しんだりするのは難しい部分があります。
多くの方が共に安らかに眠る場所として、統一された美しさを保つための配慮とも言えるでしょう。
後で遺骨を取り出しにくい
樹木葬は永代供養を前提とした供養方法のため、一度埋葬した後の遺骨の取り出しには制限があることを理解しておかなければなりません。
埋葬方法によっては、後から遺骨を取り出すことが難しい、あるいは不可能なケースもあるでしょう。
また、多くの樹木葬では、一定期間が経過した後に他の方の遺骨と一緒に合葬される仕組みです。
将来的に他のお墓への改葬や分骨をお考えの場合は、合葬までの期間や取り出しの可否を、事前によく確認することが大切です。
樹木が枯れる
樹木葬のシンボルとなる木々や植物は、生きものですので、時には枯れてしまったり、台風などで倒れてしまったりすることがあります。
大切な故人を見守るシンボルだけに、万が一の場合の対応を、事前に確認しておくことで安心できるでしょう。
植え替えが可能かどうかや、その際の費用負担をあらかじめ管理者の方に相談しておくことをおすすめします。
また、冬季などは周囲の草花も枯れて、普段の緑豊かな風景とは異なる寂しい景色になることもあります。
樹木葬で後悔しないポイント
樹木葬で後悔しないポイントとして、次の3点があります。
- 事前に見学する
- 契約内容を確認する
- 家族で話し合っておく
樹木葬を選ばれる際は、実際に現地を訪れて、その場所の雰囲気を感じておくことをおすすめします。
写真では伝わらない空気感や、四季折々の表情の変化を、自身の目で確かめることが大切です。
また、契約内容もしっかりと確認しておきましょう。
納骨できる人数の上限、お骨の埋葬方法、年間の管理費用など、細かな点まで確認してください。
特に大切なのは、家族や親族の方々としっかりと話し合いを重ねることです。
将来にわたって心安らかに眠れる場所のため、事前の丁寧な確認と話し合いが、後悔のない樹木葬選びにつながります。
まとめ
今回の記事では、樹木葬を解説しました。
樹木葬は樹木をシンボルとしたお墓での供養の形式です。
墓石の代わりに、美しい桜や紅葉、ハナミズキなどの木々をシンボルとして、その周りに大切な方の遺骨を埋葬します。
樹木葬のメリット・デメリットに加えて、樹木葬で後悔しないためのポイントも紹介しているため、樹木葬も選択肢の1つとして考えている方は参考にしてみてください。