「突然の弔問参列のために靴を用意したいけど、適当な靴もないし選び方もわからない」
とお悩みではありませんか。
お葬式の靴選びは簡単です。
黒くてシンプルな靴を選べばいいからです。
ですが、黒くても素材が違うものや金具がある靴など、多様な靴が売られています。
今回はお葬式の靴の選び方を男女別に具体的にご紹介します。
意外と見落としがちなストッキングや靴下のマナー、さらには靴の価格帯についてもご紹介しますので、ぜひ最後までご確認ください。
お葬式で履く靴ももちろん”黒”
お葬式では、靴の色はもちろん黒が基本です。
また、靴だけではなく髪や服の色もほとんどの場合は黒色でしょう。
お葬式で黒を基本とするのは明治時代に由来します。西洋文化の影響を受け、喪服の色を黒で統一することが明治時代に決まりました。
もちろんお葬式は故人のご冥福を祈る場ですので、黒で故人への悲しみを表現する意味もあります。
いずれにしてもお葬式は靴も含め、黒を基本とします。
また、お葬式はオシャレをする場所ではないことも覚えておきましょう。
お葬式は自分をかわいく見せるための場所ではなく、集ったみんなで故人のご冥福を祈る場です。
では具体的にどんな黒い靴がいいのか、男女別に選び方をお伝えします。
【女性】お葬式での靴の選び方
お葬式では黒い靴がいいといっても、ヒールやパンプスなどの種類があって実際に選ぶ時に困りませんか。
そこで靴を買う時に困らないよう、お葬式の靴選びのポイントを「デザイン・素材・靴下」の3点に絞ってお伝えします。
お葬式で女性が履く靴のデザイン
お葬式で女性は一般的にパンプスを履きます。
サンダルやスニーカーはNGです。お葬式の雰囲気にあわないからです。
また学生でない限り、ローファーもお葬式ではNGとされています。
お葬式で女性が履く靴のデザインを詳しくご紹介していきます。
先がとがっていないパンプス
お葬式でふさわしいパンプスは、つま先部分が丸いデザインのプレーントゥの靴です。
先がとがったポインテッドトゥ、またはつま先部分が開いているオープントゥの靴はカジュアルな印象を与えます。
ですからお葬式ではプレーントゥといって、つま先が丸いものが好まれます。
またリボンやストラップはカジュアルな印象があるたため、選ばない方が無難です。
ヒールの高さはは3~5cm
お葬式の靴のヒールですが、3~5cm程度の高さが理想と言われています。
歩きやすいぺたんこ靴もありますが、お葬式はおしゃれをする場所ではありません。
ある程度のヒールの高さのある靴を選びましょう。
ちなみにピンヒールのような細すぎるヒールもNGです。
ヒールの太さにも注意しましょう。
つまり女性のお葬式用の靴は黒いパンプスで、3~5cmほど高さがあるヒールでプレーントゥのデザインがおすすめです。
素材は光沢感のないもの
お葬式の靴の素材としておすすめなのは、本革、合成皮革などです。
逆にお葬式には適さない靴の素材はベロア、エナメル、スウェードなどがあります。
これらの素材は光沢感がありお葬式には不向きと言われています。
またスウェードは光沢感がありませんが、カジュアルな靴という印象が強いです。
できるだけ避けましょう。
お葬式は亡くなった方のご冥福を祈る場です。
光沢感がなくても、バイソン柄やクロコ柄など殺生を連想させる靴は避ける方がよろしいかと思います。
とはいえ、お葬式では靴の素材よりデザインの方が大事という意見もあります。
シンプルなデザインの靴を選び、光沢感のある素材やバイソン柄などは避けましょう。
薄い黒のストッキング
お葬式にスカートで出席する場合、ストッキングにも気を配れるとさらにマナーのある身だしなみになります。
お葬式で履くストッキングは薄い黒のものを選びましょう。
素足で靴を履くのはマナー違反です。
ストッキングの厚さは「肌が少し透ける程度」がよいとされています。
30デニールぐらいのものを選ぶとよいでしょう。
【男性】お葬式での靴の選び方
続いて男性の靴の選び方をお伝えしていきます。
黒の革靴以外にも、実は注意するべき所がございます。
何となく選んだ靴でお葬式に出席し、恥をかかないためにも「デザイン・金具・靴下」の3点を意識して男性は靴を選びましょう。
デザイン
おすすめは内羽根式と呼ばれるタイプで、ストレートチップまたはプレーントゥのデザインです。
靴紐がある靴にしましょう。それぞれ解説していきます。
内羽根式
靴紐を通す部分のことを羽根といいますが、羽根がどこについているかで革靴は2種類に分けられます。
羽根が外側にあり、靴の外から別の革が重なっているようなデザインのものを外羽根式といいます。
反対に内羽根式とは、羽根が内側にあり潜り込んでいるような靴です。
お葬式用では内羽根式の靴を履いていきましょう。
ストレートチップまたはプレーントゥ
つま先部分に横に一本線が入ったデザインの靴をストレートチップといいます。
逆に、つま先部分に線がない靴をプレーントゥといいます。
ストレートチップの革靴がお葬式ではベストです。
しかしストレートチップの靴がない場合はプレーントゥでもOKです。
似たようなデザインにウイングチップというものがあり、つま先部分の線が翼のようなデザインの革靴があります。
よく見かけるデザインですが、お葬式で履く靴には向いていません。
靴紐がある靴
お葬式では靴紐がある靴の方がよいといわれています。
うっかり靴紐がない靴を履くとマナー違反とされることもあります。靴紐があるものを選びましょう。
金具は避ける
お葬式はできるだけシンプルな靴が好まれますから、金具がついているものも避けましょう。
ちょっとしたことですが、金具がないだけでスマートな印象です。
普段履く靴はおしゃれで構いませんが、お葬式用の靴も別に用意する必要があります。
黒色で無地の靴下
靴下も黒色の無地のものを選びましょう。
確かにグレーやネイビーなど黒に近い色もありますが、お葬式で常に靴を履いているわけではありません。
喪服は黒が一般的ですから、黒以外の靴下を履いていると変に靴下が目立ちます。
靴下は無地の黒色にしましょう。
靴下の丈は、ふくらはぎからひざ下まであるミドル丈がおすすめです。
女性がストッキングを履いて素足を出さないように、男性もある程度の丈のある靴下を履きましょう。
うっかり素足が見えないようにするためです。
安物でもOK?お葬式の靴の価格とは
お葬式用の靴を買うとなると出費もかさみますよね。
なるべく値段をおさえてマナーのある靴を買いたい方も多いと思います。
結論からいうと、靴の値段以上にお葬式にふさわしい靴かどうかが大事です。
一般の方ならお葬式に出席する機会はそう多くないと思います。
靴の値段に関わらず、お葬式にふさわしい靴かどうかを優先しましょう。
ただし、お葬式に適した靴であっても歩きづらければ意味がありません。
特に女性はパンプスですから、0.5cmでも靴のサイズが違えば靴ずれが起きることも考えられます。
たまにしかお葬式に出席しないとしても、お葬式用の靴を履いたままある程度の時間を過ごします。
確かに靴選びでは値段も大事ですが、歩きやすさも大事なポイントになってきます。
まとめ
今回の記事では男女別に、お葬式にふさわしい靴の選び方をご紹介しました。
女性はヒールの高さが3~5cmのプレーントゥのブラックパンプス、男性は内羽根のもので、ストレートチップまたはプレーントゥの革靴がよいでしょう。
もちろん色は黒色です。
そして男女共通して、光沢感のある素材やカジュアルな靴はお葬式にはふさわしくありません。
ストッキングや靴下にも注意する必要があります。
お葬式用の靴は日常でも使うことができます。
例えばビジネスにおいて目上の方とお会いする時でも、十分に失礼のない足元になるでしょう。
急にお葬式に出席することになって焦らないためにも、お葬式用の一足持っておくと何かと便利です。
まだお持ちでない方は、お近くのお店で探されてみてはいかがでしょうか。