急なお葬式は持ち物の準備に慌ててしまいますよね。
そもそも何を持参すべきか分からない方や、自宅にある物で良いのか、新たに購入する物があるのか迷う方もいらっしゃるでしょう。
お香典の不祝儀袋の選び方は?
バッグやハンカチはどんな物が良い?
袱紗や数珠は必要?どんな物を買うと良い?
お葬式は周囲に迷惑を掛けないよう、持ち物のマナーがとても重要です。
ここでは、一目で分かる便利な『お葬式の持ち物チェックリスト』をご紹介します。
持ち物で押さえておきたいポイントや、これから準備する方に役立つ葬祭用品の選び方も解説しますので、どうぞご参考になさってください。
お葬式の参列時に必要な持ち物リスト
お葬式の持ち物【男性】
- 袱紗に包んだお香典
- 数珠
- ハンカチ
- 名刺(仕事関係の場合)
お葬式の持ち物【女性】
- 袱紗に包んだお香典
- 数珠
- ハンカチ
- セレモニーバッグ
- 替えのストッキング
- 最小限の化粧品
- 名刺(仕事関係の場合)
お葬式の持ち物【天候により】
- 長傘や折り畳み傘
- 手袋
- フォーマル用のひざ掛け
- 衣服貼付や靴用のカイロ
- 扇子
- 予備のハンカチやミニタオル
- サブバッグ
お葬式の持ち物【一般的な外出時の持ち物】
- お財布
- 時計
- 携帯電話・スマートフォン
- ポケットティッシュ
お葬式の持ち物で注意するマナー
お葬式の持ち物【お香典と不祝儀袋】のマナー
宗旨宗派による不祝儀袋の選び方
仏式:白無地または蓮の絵柄や型押しが施された袋に・黒白か双銀の結び切りの水引
キリスト教:白無地の封筒または十字架や白百合が印刷された袋・水引はなし
神道:白無地の袋・水引は双白か双銀または黒白の結び切り
宗旨宗派による不祝儀袋の表書き
浄土真宗:「御仏前」・「御香典」
浄土真宗以外・宗旨が不明の場合:「御霊前」
キリスト教:「御花料」
神道:「御榊料」・「御玉串料」・「御霊前」
お香典の金額による不祝儀袋の選び方
~5,000円未満:水引が印刷されたシンプルなもの
~20,000円程度:奉書紙・黒白の水引
~50,000円程度:高級和紙・双銀の水引
~100,000円程度:大判の高級和紙・豪華な水引
お葬式の持ち物【袱紗】のマナー
お香典をポケットやバッグへ直接入れ、そのまま提示することは失礼にあたります。
お香典は必ず袱紗に包んで持ち歩き、お葬式の受付で、相手の前で取り出して差し出すことがマナーです。
なお、弔事での袱紗は、紺・緑・紫・灰色など、寒色系を選びます。
形状には次のような種類があるため、お好みに合わせてお選びください。
風呂敷袱紗
本格的な風呂敷タイプは高額のお布施を包む場合に至るまで、敬意を表すにふさわしい袱紗です。
持ち歩くことで形が崩れやすいため、受付の前に形状を整えましょう。
爪付き袱紗・台付き袱紗
風呂敷タイプに対して、留め具や台が付いているため、お香典を安定して包むことができます。
金封袱紗
取り扱いが容易でお勧めなのは、ポケットタイプの金封袱紗です。
お香典は右開きになるように入れますが、向きに迷うことがないよう刺繍が施された袱紗を選ぶと、より便利です。
お葬式の持ち物【数珠】のマナー
仏式のお葬式では、数珠を持参することが理想的です。
しかし、数珠は貸し借りが厳禁。
一人一つずつ用意することがマナーのため、急な参列で用意できない場合などは手ぶらでも構いません。
また、神道やキリスト教、無宗教のお葬式においては不要です。
お葬式中、数珠は左手に持ち、房が下に垂れるように軽く親指で抑えて握ります。
お守りの役割があるため、席を立つ時は椅子などの上には置かず、大事にポケットやバッグへ収納してください。
なお、数珠の材質や造りはとてもナイーブです。
持ち歩きや保管用として、「念珠入れ」を使用すると便利ですよ。
お葬式の持ち物【ハンカチ】のマナー
ハンカチで気を付けたいのは、色柄と素材の2点です。
色は白か黒、素材は綿ブロードのハンカチが好ましく、アイロンをかけた清潔感も大切です。
女性は、華美でなければレースや同色の刺繍が施されたハンカチでも構いませんが、男女ともに注意したいのは色柄。
白と黒が基調の装いでは、たとえワンポイントでもハンカチの色柄は目に止まりやすいものです。
そのため、やむを得ず手持ちのワンポイントのハンカチを使用する際は、色柄が見えないよう、折り畳む際に内側に折って見えないようにしておきましょう。
また、タオルハンカチはカジュアルな印象を与えるため、お葬式にはふさわしくありません。
暑い夏場や雨天でも予備のハンカチとして用意し、人前で使用するのは避けましょう。
お葬式の持ち物【セレモニーバッグ】のマナー
女性は黒いセレモニーバッグを持参することが一般的です。
エナメルなどの光沢や、ラメや色柄のないマットな材質が好ましく、目立つ金具が付いたものは避けてください。
近年では高品質な本革のセレモニーバッグが人気ですが、仏事ごとでは殺生を連想させる革製品がタブーとされているため、人目が気になる方は避けてください。
また、お焼香では手荷物台が据えられたお葬式もありますが、台が無い場合、荷物は床に置きます。
そのため、自立型のバッグなら便利ですよ。
サブバッグも同様、黒を基調とした光沢のないものを選び、中の荷物が見えないように注意します。
なお、男性でバッグを持参する場合は、黒いクラッチバッグやセカンドバッグが一般的です。
お葬式の持ち物【ストッキング】のマナー
お葬式では肌の色が透けない厚手のタイツがNGです。
伝線などで恥ずかしい想いをしないよう、万一に備えて、替えの黒いストッキングを持参しましょう。
素材は、透け感のある20~30デニールが一般的です。
近年では、厚手の40デニールでも透け感があるものが登場していますので、見た目で差し支えのない物を選んでください。
お葬式の持ち物【化粧品】のマナー
コンパクトなフォーマルバッグに対して、化粧ポーチを持ち歩くのは嵩張ります。
お葬式の参列では、片化粧と言われる薄いシンプルメイクが基本。
よって、持参する化粧品も最小限のメイク直し用として、ファンデーションと口紅(リップ)、気になる方はアイブロウを追加する程度の少量を持参しましょう。
お葬式の持ち物【傘】のマナー
お葬式では、斎場や会館への道のりにおいても、身だしなみやマナーに注意します。
雨や雪などで長傘を利用する際、派手で目立つ色柄よりは、透明のビニール傘の方が宜しいかと思います。
また、折り畳み傘も、雨で濡れた場合に備えてサブバッグに入れて持参するなど、周囲への配慮にご注意ください。
お葬式の持ち物【手袋】のマナー
お葬式の持ち物では、鰐革・蛇革などのレザー製品や、毛皮を用いたファー製品を避けることがマナーです。
そのため、手袋は布製を選ぶことが最良です。
女性は黒いレースの手袋をすることで、よりフォーマルにふさわしい装いとなります。
しかし、お焼香では必ず手袋を外すことがマナーのため、ご注意ください。
また、斎場までの道のりで使用する場合にも、華美な色柄の手袋は避けるようにしましょう。
お葬式の持ち物【防寒・防暑対策用品】のマナー
お葬式での暑さや寒さ対策は、できれば人目に触れないこと、アイテムを持参する場合は「黒」にこだわることが基本です。
夏なら黒い日傘や扇子、冬なら黒いショール・ひざ掛けなど、黒色を意識した物を選びましょう。
また、寒い日は、衣服貼付や靴用のカイロを所持しておくと現地の環境に応じて利用でき、マナーとしても安心ですよ。
お葬式の持ち物【名刺】のマナー
仕事でお付き合いがある方のお葬式では、受付で記帳をする際に使用するため、必ず名刺を持参しましょう。
代理で参列する方は、名刺の名前の下へ「代」、参列できなかった方は名刺の右上へ「弔」とそれぞれ記し、2枚の名刺を提示します。
なお、お葬式の場で参列者同士が名刺交換を行うことは失礼に当たりますので、ご注意ください。
お葬式の持ち物【携帯電話・スマートフォン】のマナー
斎場に到着したら、携帯電話やスマートフォンの電源は切ることが最良です。
お葬式ではたとえマナーモードであっても、バイブ音による振動が気になるもの。
また、SNSやゲームを行ったり、携帯電話やスマートフォンを片手に歩いたり、厳粛なお葬式の場でモラルに反するような行為も芳しくありません。
携帯電話やスマートフォンは、遺族や第三者の立場になって、最善の取扱いを心掛けてください。
お葬式で長く愛用できる葬祭用品の選び方
お葬式の持ち物の選び方【袱紗】
袱紗の選び方のポイントは、生地の素材。
高級なら正絹、お求めやすさならポリエステルがお勧めです。
繭の生糸を用いた絹100%の正絹の袱紗は、特有の上品な光沢となめらかな肌触りが特徴で、永く愛用するにふさわしい品質です。
これに対して、ポリエステルはリーズナブルで、取り扱いも容易です。
正絹の袱紗は、着物や帯の産地で知られる京都の西陣織などが有名で、デパートや専門店なら名前や家紋を刺繍することも可能です。
ポリエステルの袱紗は、無地でも気品のある縮緬(ちりめん)が人気です。
袱紗は良質な日本製でも1,000円程度から購入できるため、予算や好みで仏事向けの商品を選んでください。
便利な慶弔両用タイプや、慶弔2点セットなどもありますよ。
お葬式の持ち物の選び方【数珠】
数珠には、宗派別の本式数珠と、宗派を問わない略式数珠があります。
一般の方が購入するのは略式数珠にあたり、男性用(珠の直径10mm以上)と女性用(珠の直径8mm以下)があります。
性別によって、全体の長さも異なります。
男性用では白檀・伽羅などの香木が高級品で、黒檀・紫檀などの木材や、オニキス・虎目石などの天然石による黒系や茶系が多いです。
女性用は、翡翠などが高級品にあたり、様々な色合いの天然石や房があるため、お好みに合わせて選んでください。
なお、お求めの際には、「房」に注目してみてください。
良質なものと安価な数珠では、素人でも一目で分かるほど、房の品質が違いますよ。
お勧めなのは、産地で知られる京都の数珠。
良質な国産数珠は、珠に天然木や天然石が用いられ、房には美しい光沢の正絹が用いられています。
まとめ
お葬式の持ち物は、あらかじめ必要な物を取り揃えておくことが大事です。
特定の場所に袱紗や数珠を収納しておくと、急な参列の際にもスムーズに準備することができますよ。
せっかく学んだお葬式の持ち物の知識。
仏事のマナーは、なかなか習得する機会がないと思いますので、家族や友人などが参列される際にも教えてあげてくださいね。