亡くなってから1年目の命日付近には一周忌法要を行うのが一般的です。

一周忌法要は、遺族にとって大切な節目となる法要なので、準備をしっかりする必要があります。

しかし実際どんなことをしたらいいのか、どんなものを準備したらいいのか分からない方が多いのではないでしょうか?

そこでこの記事では、一周忌法要で準備するべきものや、お供えやお布施などのマナーについてご紹介します。

この記事を読んでしっかりと準備をしましょう。

 

一周忌とは?

一周忌法要とは、亡くなってから1年目の命日に行う法要です。

亡くなってから節目の命日に行う年忌法要のうち、最も重要な法要とされています。

そのため、遺族や親族に加えて故人と生前親しくしていた友人、知人なども参列することが一般的です。

遺族は一周忌法要をもってこれまで喪に服してた期間から明けるものとされています。

本来は命日当日に行うものですが、実際には命日に近い土日や祝日に行われることが多いです。

基本的に命日より後ろ倒しで行うのはよくないこととされており、命日当日に都合がつかない場合には前倒しで行います。

 

一周忌のお供えのマナー

一周忌に参列する際には、お供えを持参するのがマナーです。

一周忌のお供えに相応しいもの

一周忌に限らず、法要のお供えとして相応しいものは、小分けにできるものと消えて無くなるものです。

たとえば食べ物なら小分けになっている焼き菓子や和菓子をお下がりとして選ばれたり、消えて無くなるものとしては線香やろうそくなどがお供えとしてよく選ばれます。

反対に、次のようなものは避けるべきとされています。

  • 肉や魚など殺生を連想させるもの
  • 香りの強い線香や花
  • 生クリームやアメなどの日持ちしないものや、溶けて仏壇を汚す恐れがあるもの

もし故人の好みのものだったとしても上記のようなものは避けた方がいいでしょう。

 

一周忌のお供えの費用相場

一周忌のお供えの費用相場は、別に香典を包むかどうかで変わってきます。

もし香典も包んだうえでお供え物も持参する場合には、お供え物自体は3,000~5,000円ぐらいにしましょう。

香典を包まずにお供え物だけを持参する場合には、5,000~10,000円のものが相場です。

それ以上に高価な品物を渡してしまうと、遺族にとってお返しの負担になってしまうので注意しましょう。

 

一周忌のお布施のマナー

一周忌に限らず、法事を行う際には施主がお坊さんにお布施を支払うのがマナーです。

一周忌のお布施の相場

一周忌のお布施の相場は30,000~50,000円です。

お寺との関係が強い場合や地域によっては相場が異なるので、いくら包んだらいいか迷う場合には親族に相談してみましょう。

それに加えて、寺院以外の場所で法要を行う場合には交通費として「御車代」を、法要後の食事にお坊さんが同席しない場合には食事代として「御膳料」をお渡しします。

御車代と御膳料の相場はそれぞれ5,000~10,000円です。

お寺で法要を行う場合には「御車代」は不要です。またお坊さんも一緒に食事を行う場合には「御膳料」をお渡しする必要はありません。

 

お布施の包み方

お布施は、「御布施」「御車代」「御膳料」とそれぞれ封筒を分けて包みます。

またお札は新札を用意し、複数枚入れる場合には必ず向きを揃えましょう。

 

お布施のタイミングと渡し方

お布施を渡すタイミングは、法要が始まる前の挨拶の時か、法事が終わった後です。

どのタイミングで渡すにしても、袱紗や切手盆の上にのせ、お坊さんから見て正面になる向きでお渡しします。

法要が始まる前の挨拶時に渡す場合には「本日はよろしくお願いいたします。」と、終わった後に渡す場合には「本日はありがとうございました。」と一言添えてお渡ししましょう。

 

一周忌の準備手順

一周忌の準備は、参列者の出欠を取る必要もあるため、命日の2か月ほど前から余裕をもって行いましょう。

 

日程・場所の決定

まずは日程と場所を決めます。

日程を決めるためには、お坊さんに連絡をして日程の都合を聞かなければなりません。

お盆などが重なる時期にはお坊さんも忙しくなるので、早めに連絡をして日程を抑えておきましょう。

場所の候補としてあげられるのは、お寺、霊園などに併設されている法要会館、自宅などです。

参列者の方々も集まりやすいよう、交通の便のいいところを選ぶといいでしょう。

またもし納骨も一緒に行うのであれば、納骨場所に近いところを選ぶと移動の負担がかかりません。

 

案内状を出す

親族や故人と生前親しかった人など、一周忌に参列していただきたい方々に案内状をお送りし、出欠をお伺いします。

出欠を記載して返信をいただくために往復はがきを利用しましょう。

もし往復はがきを利用しない場合には、返信用の封筒や切手を同封するのがマナーです。

案内状には、時候の挨拶や、一周忌法要を行う日時や場所の案内、返信のお願いを記載します。

返信のお願いには参列者にとっても、準備をする自身にとっても余裕のある期日を設定して記載しておくことをオススメします。

また案内状には、句読点をつかわないようにするという習わしがありますが、近年では読みやすさを重視して句読点を付けても問題はありません。

 

食事を手配する

一周忌法要の後は、食事をして故人を供養することが一般的です。

そのため食事を手配する必要があります。

法要を行う場所付近の法要料理店を予約する、また法要会場で食事ができるようであれば仕出し料理を手配します。

法要会館などで行う場合には、会場の予約の際に一緒に料理も手配できる場合もあるので、聞いてみましょう。

一周忌法要での料理の相場は1人当たり5,000円程度が適切です。

もし食事を行わない場合には、粗供養と一緒に折詰のお弁当をお渡しします。

 

粗供養の準備

参列者にお礼として粗供養をお渡しします。

粗供養にはお菓子やお茶などがよく選ばれますが、最近ではカタログギフトなどにする方が増えています。

持って帰っていただくものなので、あまりに重いものや大きいものは避けましょう。

費用相場は、3,000~5,000円程度です。

 

お布施を用意する

お坊さんにお渡しするお布施を準備します。

 

仏壇や焼香の準備

自宅で一周忌法要を行う場合には、仏壇を綺麗に掃除します。

法要用に仏壇の飾りを変える必要があれば、その準備もしましょう。

 

一周忌の流れ

一周忌の流れは他の法要と大きな違いはありません。

概ね次のような手順で行われます。

 

①僧侶の入場

お経を読んでいただくお坊さんが入場します。

 

②施主からの挨拶

施主から法要開始の挨拶をします。

施主からの挨拶は他のタイミングにもあるので、簡潔に短く収めます。

 

③読経

お坊さんによる読経が行われます。

 

④焼香

施主から、故人との関係性が近い順に焼香を行います。

焼香のタイミングは、お坊さんから指示があるのでそれに従いましょう。

 

⑤法話

読経が終わったらお坊さんから法話があります。

静かに耳を傾けましょう。

 

⑥墓参り

お墓が近い場合、お墓参りをします。省略をしても問題ありません。

 

⑦施主からの挨拶

法要終了の挨拶を行います。

来てくださったお礼、食事を行う場合には食事の案内もこの挨拶の中で行います。

 

⑧解散

食事の前後で施主の挨拶を行います。

最後の施主からの挨拶が終わったら解散です。

粗供養がある場合には、忘れずにお渡ししましょう。

 

まとめ

この記事では一周忌法要でのお供えやお布施のマナー、一周忌法要の準備や当日の流れについてご紹介しました。

まとめると次の通りです。

  • お供えには、小分けにできるものや日持ちするものを選ぶ
  • お布施の相場は、30,000~50,000円。御車代や御膳料も必要に応じて準備する
  • 一周忌法要は2カ月ほど前から余裕をもって準備を行う

以上です。

大切な節目となる一周忌法要。

故人をゆっくりと偲ぶことができるよう、しっかりと準備を行いましょう。