仏式ではお葬式の際に僧侶を招いてお勤めいただきます。

近年、お葬式の多様化により家族葬など身内だけで行うケースが増加していますが、様々な形式がある中でも儀式において故人を弔い供養していただくことが一般的です。

この記事では、お葬式に僧侶を招き供養する具体的な流れや、費用やマナーについてご案内させていただきます。

円滑に依頼するための方法や失礼にあたらない作法が習得できるため、突然訃報を受けても迷うことがありません。

僧侶の招き方に不安を感じている方は、ぜひ参考にして下さい。

 

僧侶の役割とは?呼び名の由来について

「僧侶」とは、仏教において出家をして戒律を守る人を指します。

修行を行う中で人々に教えを説いて仏道を広めることが役割です。

「お坊さん」との呼び名もありますが、一説によると「坊」は平安時代の区画の単位を指す言葉で、お寺の「坊」に属する主人のことを、「お坊さん」と呼んだことから肩書に変化したと考えられています。

また、似た言葉に「住職」や「和尚」があります。

「住職」とは、代表者として住み込みでお寺の運営や維持管理などを担う「僧侶」の長のことです。

また、「和尚」とは、日々修業を重ねて認められた立場で教えを説く「僧侶」の敬称を指します。

「おしょう」と呼ばれることが主流ですが、天台宗では「かしょう」、真言宗では「わじょう」、日蓮宗では「お上人(おしょうにん)」などと呼ばれていて宗派により異なります。

 

僧侶のお勤めには何がある?

実際に僧侶にはどのようなことをお勤めいただくのでしょうか?遺族は様々な弔辞の場でお招きする機会があります。

以下で具体的な内容を解説します。

 

葬儀・告別式

僧侶は勤行を行い、故人が冥界へ渡れるように導きます。

勤行とは、読経や経の題目を唱えることで、遺族の無事を故人に伝えて祈る意味があります。

僧侶は遺族の代わりとなり、故人やご先祖様に向けて安穩を捧げます。

 

法事・法要

お葬式以外に、四十九日法要や一周忌法要など法事・法要の場でも勤行を行います。

また、お盆やお彼岸など区切りの時期の法要でも、故人の供養をお勤めいただくことがあるでしょう。

とくに、故人が亡くなってから最初のお盆である「初盆」は、僧侶をお招きすることが一般的です。

儀式の後は会食を共にすることもあります。

 

お釈迦様の教えを説く

弔辞の場以外では、人々に仏教の教えを広めることが日常的なお勤めです。

日本は仏教文化が盛んですが、教えを細部まで語れる人が少ないことが現状です。

修業で学んだ釈迦の学びを人々に広めて平穏へ導きます。

参列者や宗徒から相談を受けることもあるでしょう。

 

お葬式で僧侶を招くときの流れ

告別式の花入れ

故人の逝去後は僧侶にお勤めの依頼をしますが、菩提寺の有無により全体の流れが変わるため理解しておくことが大切です。

 

依頼の方法

日頃からお世話になっている菩提寺がある場合は、直接連絡をして依頼をします。

先祖代々付き合いのある菩提寺では、顔なじみのある僧侶が勤めることが一般的です。

親交がある菩提寺がない場合は、希望のお寺に問い合わせて依頼しますが、急遽の依頼を断られることや檀家が条件である可能性があるでしょう。

もし、お寺様とお付き合いがない場合は、大阪市民葬センターでもご紹介できますのでお気軽にご相談ください。

運営母体は民間や宗教法人など様々あります。

菩提寺とは異なり、宗派を選択できるなど遺族の需要に応じたサービスを受けられることが特徴です。

また、多くの場合で檀家の強制がないこともメリットといえます。

 

依頼するタイミングとは?

故人が亡くなってからすぐの連絡が望ましいでしょう。

お葬式の詳しい内容を決めるときは素早い対応が求められます。

とくに、お葬式の日程はお勤めいただくお寺の都合が深く関わるためです。

お寺に連絡をして日程の調整を急ぎましょう。

そのほか葬儀場の予約、火葬場の空き状況なども事前に確認する必要があります。

 

費用について

お葬式に僧侶を招く際に、遺族は感謝の気持ちとしてお布施を差し出すことが一般的です。

また、大阪市民葬センターでお手配する場合も、葬儀代金と別に御布施の費用が必要となりますので、慌てないように事前に確認しておきましょう。

 

菩提寺の場合

お葬式では、僧侶1名当たり10〜30万円が相場です。

ただし、菩提寺との親交の深さや、地域性、また宗派により金額に差が出ることが特徴です。

また、僧侶が複数人になる場合や、読経を数日続けて行う場合もあり変動があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

 

大阪市民葬センターで手配した場合

大阪市民葬センターで手配する場合は、下記料金で案内可能です。
(曹洞宗・臨済宗・天台宗・日蓮宗などの宗派にて、御布施の金額が少し変わりますことご了承ください)

【基本料金】
通夜・葬儀・式中初七日・法名(戒名)火葬場読経
150,000円

【収骨後の初七日法要】
180,000円

 

僧侶を招く際のマナーとは

お葬式に僧侶を呼ぶときは、遺族は心を込めてもてなし、失礼のないように努めなければなりません。

社会人として身につけておきたいマナーについて解説しますので下記を参考にして下さい。

 

菩提寺以外に依頼するときは

基本、菩提寺にお墓がある場合は、必ず菩提寺へお勤めをお願いします。

他の寺院がお勤めをして、納骨の際に納骨できなくなる事もありますので注意が必要です。

それ以外にも、菩提寺の檀家であるにもかかわらず別のお寺に依頼をすると、後から問題に発展しかねません。

1人で判断するのではなく、事前に話し合いや調整をすることが重要です。

 

費用の準備

経済的な負担を減らすためにも、どのくらいの費用が発生するのか事前に確認しておきましょう。

僧侶の人数や宗派などで異なり高額になるケースも少なくありません。

不明な場合はお寺に相談することがおすすめです。

 

お布施の渡し方

お布施は儀式の途中ではなく、お葬式開始前か終了後に差し出すことがマナーとされているためタイミングに注意します。

また、お布施は直接手渡しするのではなく、袱紗に包みお盆の上に乗せて差し出しましょう。

 

僧侶に依頼するときの注意点とは

故人を偲び見送るためには、正しい方法で僧侶に依頼することが大切です。

今後お寺と良好な関係を築くためにも、遺族として適切な対応を心がけましょう。

敬称に注意する

僧侶の敬称に迷うときは、「お寺の名前◯◯様」や「僧侶様」と呼ぶことが最低限のマナーといえます。

また、住職には「住職様」と分けて呼ぶことが一般的です。

 

僧侶を呼ばない場合は

お葬式に僧侶を呼ぶことは絶対条件ではありません。

形式や都合で儀式に僧侶を呼ばない場合は、遺族や親族など周囲に対して丁寧に説明をします。

意見の食い違いによるトラブルを未然に防ぐことや参列者からの不信感を解消する意味があるでしょう。

 

まとめ

お葬式に僧侶を呼ぶ時は、方法により費用などに変動があるため事前に十分確認しておくことが大切なポイントです。

また、遺族は正しいマナーで対応して、故人へ哀悼の意を表しましょう。

  • 僧侶とは、出家をして仏教の戒律を守る人を指す
  • 僧侶の役割は日々修行を行いお釈迦様の学びを説いて仏道を広めること
  • お葬を菩提寺に依頼するときは素早く直接連絡、インターネットから手配することも可能
  • 菩提寺の場合の相場費用は10~30万円、サービス利用で手配した場合は3万円~
  • お布施は手渡しではなく袱紗に包みお盆に乗せて差し出す
  • 僧侶を呼ばないときは親族など周囲と話し合いを済ませておく