お店の新装開店などの際によく見られる花輪。葬儀の際にも故人にお供えとして送られることがあります。

葬儀に使われる花輪について、どのように送ったらいいのかなど分からない方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、花輪の種類や送り方のマナーなどをご紹介します。
また、花輪と同様に葬儀に送られる花である供花との違いなどもご紹介しているので、参考にしてみてください。

花輪とは?

慶弔時に送られる、造花または生花をリング状にしたスタンドを花輪と言います。「花環」とも書きます。

新装開店などで目にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
葬儀においても、お供えとして斎場の入り口などに飾られることがあります。

色合いは地域によって文化の違いがありますが、白黒のシンプルなものが一般的です。

輪の下のスタンド部分には送り主の名前が書かれます。

 

花輪を送る人は?

花輪は、故人や遺族の勤務先や取引先、友人一同、同級生一同などと団体として送られることがほとんどです。

葬儀に行くことができない場合などに近親者が個人として送ることもあります。

 

花輪の起源

花輪は古代から、ギリシャで魔除けとして使われていたものが起源とされています。

ローマ時代には勝者のシンボルや宴会、そして葬儀の際にも使われるようになりました。

日本では、大正時代に葬儀社の発案から花輪を送る文化ができたとされています。
もともと花輪を作ったりレンタルをしたりしていた会社が、現代では葬儀社となっている場合も多々あります。
そのため古くからある葬儀社に「○○花輪(店)」「○○造花(店)」という名前がよく見られるのです。

バブルの時代などには大きな葬儀が行われることが多く、数多くの花輪に有名な企業などの名前が連なったりすることが遺族にとってもある種のステータスとして機能していた面もありました。

現代では減少傾向

花輪は、場所をとることや景観上の問題などから、特に都市部では減少傾向にあります。

以前は花輪を飾る場所も十分にあり、葬儀の際には道路脇に並べられることもありましたが、現代では花輪を飾るような場所を確保するのは難しいです。
また花輪を飾ると、どうしても派手で目立つ葬儀になります。
最近では家族だけでひっそりと葬儀をすることが増えてきたことも、花輪を飾ることが減った1つの要因です。

花輪の種類

花輪には大きくお祝い用と弔事用がありますが、もちろん葬儀に使用するのは弔事用です。

お祝い用は、紅白や黄色などカラフルな色の花が使われますが、弔事用は基本的に白黒、または青や緑など寒色系の花が使われます。

花輪のマナー

ここからは、花輪を送る際のマナーをご紹介します。

 

費用相場

花輪の相場は1~2万円です。

個人として出すときも団体として出すときも相場は同じぐらいだと覚えておきましょう。
相場よりもあまりに高い金額のものを手配してしまうと、遺族に気を遣わせてしまう可能性があるので注意してください。

 

手配の仕方

花輪を送る際には、まず葬儀の施行を取り仕切っている葬儀社に電話をしましょう。

そもそも遺族がお供えを受け付けていなかったり、花輪を置けない斎場の可能性もあるため、葬儀社に確認をとるのが一番確実です。

また花輪を受け付けている場合でも、色やサイズなどを統一している可能性もあります。
宗教宗派、または地域によっても花の種類やサイズなどが異なるので、葬儀社に確認をとりましょう。

花輪を受け付けていることや、宗教宗派、サイズや種類などを把握している場合には、ネットでの注文も可能です。その場合も念のため、葬儀社に一報いれておきましょう。

 

届けるタイミング

花輪は通夜の日には届くように早めに手配をしましょう。

届けるタイミングなどについても、施行する葬儀社を通して手配をすれば確実です。

 

送り主名の書き方

花輪のスタンド部分に、送り主の名前を書いた布や板を飾ります。

名前の書き方は、個人の場合には一行でフルネームを、2名の場合には連名で、3名以上の場合は連名で書くか、代表者のみのフルネームを書き「他一同」と次の行に書きます。
もし連名で書く際には、右側から目上、または故人と近しい人から書くようにしましょう。

法人や団体の場合には、法人名や団体名の横に代表者の肩書とフルネームを書きます。もし特定の部署だけということであれば会社名の後に「部署名一同」と書きます。
親族の場合には、個人名ではなく「子供一同」「孫一同」「兄弟一同」など続柄で記載することが一般的です。

 

花の選び方

花輪は造花で作られたものをレンタルすることが多いですが、花を選ぶ際には白の菊を中心に青などの寒色系の花を選びましょう。

派手な色や、香りの強い花、バラなどのトゲがある花は葬儀における花輪としては相応しくありません。

 

キリスト教では花輪を送らない

キリスト教の葬儀では造花を使わないため、キリスト式の葬儀の場合には花輪を送ることはありません。

 

断られたときの対応

家族だけで葬儀を行う場合、供花や香典などを含めて花輪の受け取りなどもお断りとしていることが珍しくありません。

もし遺族から花輪などのお供えをお断りされた場合には、遺族の意思を尊重して希望通りにしましょう。

断られているにもかかわらず無理にお送りすると、反対に迷惑をかけてしまう可能性もあります。

「なにも送らないのは失礼ではないか?」と心配される方もいますが、お断りされてる場合には送らないことが正しいマナーと言えます。

 

お礼の仕方

次は遺族側の立場として、花輪を送られたときにどのようなお礼をするのかを解説します。

花輪などのお供えをいただいた場合には、いただいた金額の概ね半分ぐらいの金額の品をお返しとして送ります。

団体として送られている場合には、分けて食べられるように個包装になっているものを選ぶのがオススメです。

 

供花との違いは?

葬儀の際に供えられるものとして代表的なものに供花があります。

それでは供花と花輪にはどんな違いがあるのでしょうか?

 

意味合い

供花と花輪はどちらも、故人の冥福を祈るためのお供え物であり、意味合いの違いはありません。

 

飾る場所

供花は式場内の祭壇の脇や壁沿い、祭壇に組み込まれることがある一方、花輪は斎場の外に置かれるという違いがあります。

 

送る人

供花は、故人と親しかった方々が個人として送ることや、団体として送られることがある一方で、花輪はほとんどの場合、送り主は団体です。

 

まとめ

この記事では花輪についてのマナーや供花との違いについてご紹介しました。

まとめると次の通りです。

  • 花輪とは、造花や生花をリング状にしたスタンドのこと
  • 花輪を送る際には、葬儀の施行を担当する葬儀社に必ず連絡をする
  • キリスト教では花輪を送らない
  • 供花と花輪に大きな意味合いの違いはなく、飾られる場所や送り主が異なる

以上です。

現代では花輪を送る機会は少ないかもしれませんが、送る際にはマナーを守って故人や遺族に弔意を示しましょう。