「遺体搬送の費用はどれくらいかかるのだろう」「病院からすぐに搬送しないといけないと言われたけれど、何を基準に決めればいいのか分からない」と不安になる方は少なくありません。
遺体搬送は突然必要になることが多く、落ち着いて比較する時間がないまま依頼してしまいやすいものです。そのため、費用相場や追加料金の考え方を知らずに進めてしまい、想定より高くなったと感じるケースもあります。
この記事では、遺体搬送の費用相場、内訳、費用が高くなりやすいケース、費用を抑えるためのポイントまで、初めての方にも分かりやすく整理して解説します。
遺体搬送の費用は、一般的に1万円〜30万円程度が目安です。
- 短距離:1万円〜3万円
- 中距離:3万円〜10万円
- 長距離:10万円〜30万円以上
遺体搬送の費用相場はどれくらい?まずは全体像を把握しよう
遺体搬送の費用は、搬送距離、時間帯、安置先の有無、追加対応の内容によって変わります。
大まかな目安としては、病院から自宅や安置施設までの近距離搬送であれば比較的費用を抑えやすく、県をまたぐような長距離搬送や深夜対応では高くなりやすい傾向があります。
まずは、費用感の目安を次のように考えておくとイメージしやすいでしょう。
- 短距離搬送:1万円〜3万円程度
- 中距離搬送:3万円〜10万円程度
- 長距離搬送:10万円〜30万円以上になることもある
ただし、これはあくまで一般的な目安です。搬送費用は「距離だけ」で決まるわけではなく、夜間料金や待機料金、ドライアイス代、安置施設利用料などが加わると総額は大きく変わります。
また、搬送後にどの葬儀形式を選ぶかによって、その後の全体費用も変わってきます。葬儀全体の費用感もあわせて確認したい方は、お葬式の費用はどのくらい?相場や内訳を徹底解説!もご覧ください。
短距離搬送は比較的費用を抑えやすい
同一市内や近隣エリアへの搬送であれば、車両の移動時間が短く、スタッフの拘束時間も少ないため、費用は抑えやすい傾向があります。
病院から自宅、あるいは近隣の安置施設までの搬送であれば、基本料金の範囲内または比較的少ない追加料金で収まることもあります。
長距離搬送は距離だけでなく時間でも高くなりやすい
県外への搬送や、故郷へ連れて帰るようなケースでは、走行距離だけでなく拘束時間も長くなります。
そのため、高速道路料金や人件費が加算されやすく、結果として費用差が大きく出ます。搬送先をどこにするかは、気持ちの面だけでなく費用面も含めて考えることが大切です。
遺体搬送費用の内訳を知っておくと見積もりが分かりやすい
遺体搬送の見積もりを見ても、何にいくらかかっているのか分かりにくいことがあります。
そこで、まずは一般的にどのような項目で費用が構成されるのかを押さえておきましょう。
基本料金
基本料金には、搬送車両の使用料、スタッフの人件費、一定距離までの搬送料が含まれていることが多いです。
ただし、どこまでを基本料金に含めるかは業者によって異なります。価格だけを見るのではなく、「どこまで含まれているのか」を確認することが大切です。
距離による追加料金
一定距離を超えた場合には、1kmごと、または一定区間ごとに追加料金がかかるケースがあります。
近距離では安く見えても、搬送先が遠いと総額で差が大きくなるため、見積もり時には最終的な着地点まで含めて確認しておくと安心です。
深夜・早朝料金
病院で亡くなられた場合は、夜間や早朝に搬送の手配が必要になることも少なくありません。
その場合、通常時間帯より割増料金が発生することがあります。特に急ぎの搬送では断りにくくなりやすいため、電話の段階で深夜料金の有無を聞いておくと安心です。
安置やドライアイスなどの付帯費用
搬送後に自宅で安置するのか、安置施設を利用するのかによっても費用は変わります。
また、火葬まで日数が空く場合には、ドライアイスの追加や安置日数に応じた費用が必要になることがあります。直葬や火葬式を検討している場合でも、亡くなってすぐ火葬できるわけではないため、安置費用は見落としやすいポイントです。
直葬・火葬式の考え方や流れを知っておきたい方は、直葬の特徴やメリット・デメリットをご紹介!も参考になります。
遺体搬送費用が高くなりやすいケース
遺体搬送の費用は、同じ「搬送」でも状況によって大きく変わります。
特に、次のようなケースでは費用が高くなりやすいため、あらかじめ把握しておくと判断しやすくなります。
県外や遠方への搬送を希望する場合
故人を住み慣れた地域へ帰したい、菩提寺のある地域で葬儀を行いたいなどの理由で、遠方への搬送を希望することがあります。
気持ちとしては自然なことですが、長距離搬送は費用が大きく上がる要因です。距離に応じた追加料金だけでなく、高速道路料金やスタッフ拘束時間も増えるため、総額が大きくなります。
夜間・早朝に急ぎで対応してもらう場合
病院で亡くなると、できるだけ早く搬送してほしいと言われることがあります。
その際、時間帯が深夜や早朝であれば割増料金がかかることがあり、昼間より高くなる可能性があります。時間がない場面だからこそ、電話口で「総額はいくらぐらいになりそうか」を確認しておきたいところです。
安置先が決まっていない場合
搬送先が自宅なのか、安置施設なのか、親族宅なのかが決まっていないと、業者の提案にそのまま乗る形になりやすくなります。
すると、搬送後の安置施設利用料や日数ごとの管理費が追加され、思ったより費用が膨らむことがあります。自宅安置が可能かどうかだけでも、事前に家族で話しておくと判断しやすくなります。
搬送と葬儀を別会社で依頼する場合
搬送だけ別会社に依頼し、その後の葬儀は別の葬儀社にお願いすること自体は可能です。
ただし、搬送会社と葬儀社の両方に費用が発生するため、結果的に割高になるケースもあります。サイト内の既存記事でも、搬送だけを別で頼むと二重に支払う形になりやすい点が紹介されています。
亡くなった直後にやること全体を確認したい方は、身内(親)が亡くなった後にやることについて徹底解説もあわせて確認しておくと流れが整理しやすくなります。
遺体搬送費用を抑えるためのポイント
遺体搬送は急を要することが多いものの、いくつかのポイントを押さえるだけでも費用の負担を抑えやすくなります。
搬送先をできるだけ近くにする
費用に最も影響しやすいのは、やはり搬送距離です。
自宅安置が難しい場合でも、できるだけ近い安置施設や斎場を選ぶことで、搬送費用を抑えやすくなります。故郷への移送を考える場合も、いったん近場で安置し、その後の流れを改めて検討する方法があります。
電話の段階で総額の目安を確認する
「基本料金はいくらですか」だけではなく、「このケースだと総額でどのくらいになりますか」と聞くことが大切です。
基本料金が安く見えても、後から深夜料金や距離加算、安置費用が乗ると総額は変わります。搬送元と搬送先、時間帯を伝えて、おおよその総額を確認しておくと安心です。
見積もりの中身を比較する
急いでいると価格だけを見て決めがちですが、比較すべきなのは「何が含まれているか」です。
- 何kmまでが基本料金に含まれるか
- 深夜料金はあるか
- 待機料金はかかるか
- ドライアイス代は別か
- 安置施設の利用料は別か
このように項目ごとに比較すると、単純な金額差だけでは見えない違いが分かりやすくなります。
搬送後の葬儀形式まで見据えて考える
搬送費用だけを切り離して考えるのではなく、その後に家族葬・一日葬・直葬など、どの形式でお見送りするかまで含めて考えると、全体の費用バランスを取りやすくなります。
葬儀の種類ごとの違いを先に確認したい方は、お葬式の種類 選び方やポイントをご紹介!も参考になります。
遺体搬送の流れを知っておくと慌てにくい
費用面だけでなく、流れを把握しておくことで気持ちの負担も軽くなります。
なお、遺体搬送とあわせて進める必要がある手続きとして「死亡届の提出」があります。提出期限や記入方法について不安がある方は、死亡届の書き方や提出方法について解説した記事も参考にしてください。
費用面だけでなく、流れを把握しておくことで気持ちの負担も軽くなります。
1. 亡くなった場所で必要な書類を受け取る
病院で亡くなった場合は、医師から死亡診断書が発行されます。
その後、搬送の手配に進む流れが一般的です。病院以外で亡くなった場合は対応が異なることもあるため、まずは現場の指示を確認しましょう。
2. 搬送先を決めて搬送を依頼する
搬送先としては、自宅、安置施設、斎場などが考えられます。
この段階で搬送先が曖昧だと判断が難しくなるため、可能であれば家族で事前に方向性を共有しておくとスムーズです。
3. 安置後に葬儀内容を打ち合わせる
搬送が終わったら、すぐに葬儀全体の打ち合わせに進むことが多いです。
搬送だけで終わりではなく、その後の安置、納棺、火葬、葬儀の流れまで続いていくため、全体像を知っておくことが大切です。
亡くなってから葬儀までの流れを詳しく知りたい場合は、お葬式の流れやスケジュールについてを徹底解説もあわせてご覧ください。
遺体搬送費用に関するよくある質問
病院から自宅への搬送だけをお願いすることはできますか?
可能です。搬送のみを受けている業者や葬儀社もあります。
ただし、その後の葬儀を別会社に依頼すると、結果として総額が高くなる場合もあるため、搬送後の流れまで含めて確認すると安心です。
火葬場へ直接搬送することはできますか?
一般的には、亡くなってすぐに火葬することはできません。
そのため、多くのケースではいったん自宅や安置施設などに安置し、火葬日まで待つ流れになります。直葬を検討している場合でも、安置費用の有無は確認しておきたいポイントです。
費用が安い業者を選べば安心ですか?
価格が安いこと自体は悪くありませんが、含まれている項目が少ないと後から追加費用が発生することがあります。
安心して依頼するためには、基本料金だけでなく、総額の目安と追加料金の条件まで確認することが大切です。
まとめ|遺体搬送の費用は「総額」と「その後の流れ」で考えることが大切
遺体搬送の費用は、短距離なら比較的抑えやすい一方で、長距離搬送や深夜対応、安置施設の利用などが加わると大きく変わります。
そのため、目先の基本料金だけで判断するのではなく、搬送先、時間帯、安置の有無、その後の葬儀形式まで含めて考えることが大切です。
突然のことで慌ただしい場面だからこそ、電話の段階で総額の目安を確認し、できる限り落ち着いて比較することが、後悔のない選択につながります。
大阪市民葬センターでは、搬送から安置、その後の葬儀についてもご相談いただけます。費用面や流れに不安がある方は、事前相談もご活用ください。



